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なろラジ7参加作品

私には運命の人が待ってるの! 合い言葉で記憶がひらく。

掲載日:2025/12/10

(私、ゲームの世界に転生しちゃってる?)


 市場の真ん中で、私は前世を思い出した。


 ここは、性悪な婚約者に嘆く王子様と、優しいヒロインが出会うお話の中。


 そして私は、そのヒロイン!

 高位貴族のイケメンがこぞってチヤホヤしてくるキャラ。


 でも本命以外、必要ない。


 私には運命の人が待ってるの。

 救い出してあげなくちゃ!


 豪華なお城の舞踏会で、私を抱いた王子様が婚約破棄を叫んだわ。

 公爵令嬢は()(さお)追放刑。


「嬉しい! 殿下は私を選んでくれたのね」

勿論(もちろん)だとも、ビビ。僕の未来の妃は君だ」


 私は彼の婚約者として、お城に住み込むことになった。


 蝋燭の火が揺れるムーディーなお部屋で、殿下と並んでソファに掛ける。


「ああ、なんて甘い香りなんだ」

「殿下が(くつろ)げるよう、特別にブレンドしたお茶なの」

「有難う。美味しいよ」


 彼が寝たのを確認して、私はそっと抜け出し、城の地下へと降りていく。


今晩(こんばん)は、牢番さん。今夜は冷えるでしょう? 身体が温まる差し入れを持ってきたわ」

「いいのかな? 仕事中に酒なんて」

「いいのよ。殿下は私がすること、いつも褒めてくれるもの」


 ヒロインの微笑みに逆らえる相手(モブ)なんていない。

 身も心も(ゆる)んだ兵が、酒を片手に眠りに落ちた。


(本当によく効く薬)


 (はや)る気持ちを(おさ)え、私は奥の牢をのぞき込む。

 中には懐かしい幼馴染。


「会いたかった、イクス! 兵は眠らせたわ。いま鍵を開ける」


 イクスは目玉が落ちちゃうくらい驚いてる。


「嘘だろ、ビビ? どうしてここに?」

貴方(あなた)が捕まった時から、どうやったら助け出せるか、ずっと考えたの」


 市場仲間のイクスは、ゲームでは隠しキャラ。


 実は王家の血を引く、もう一人の王子設定なのだけど。


 公爵令嬢が彼の顔に惚れたせいで、イクスの存在が馬鹿王子にバレてしまった。そして自分の地位を脅かすからと投獄。

 (ヒド)い!


「馬鹿王子に取り入って(ここ)まで来たわ。"私には運命の人が待ってる"と自分に言い聞かせて、頑張ったんだから」


 ガチャン。

 錠前が落ちた。

 

「早く出て。あ、でもその前に。貴方(あなた)は私の知ってるイクス?」

「合い言葉で確かめるか? せーの……」


「乙女ゲーは?」

「イクス()し!」


 私の答えに、彼は破顔(はがん)した。


 私だけじゃなく、イクスも転生者だ。

 私たちは二人して裏ルートの……、イクスのファンだった。


「さあ、一緒に逃げましょう」


 推しに転生したイクスと、推しを推したい私。


 彼は私が前世を思い出した運命の人だから。

 この世界で力を合わせて生き抜いてくわ!




 お読みいただき有り難うございました!

 なろうラジオ5作めはキーワード「合い言葉」で参加でした。

 まだキーワード残ってるし、もっと書きたいのですが、ほぼ連日投稿しちゃったので、ここで一旦"なろラジ"を切り上げたいと思います(∩´∀`*)∩


 なおビビはラテン語で「生きてる」「生命」、イクスは「外部の」「外の世界」「(あるものから)超えた」などの意味。

 ふたりして、外の世界から来た命ッ(´艸`*)→転生者

 

 少し補足しますと、イクスが男の子なのに男性キャラ推しな理由は、彼の中身が、前世ビビに片思い中の学生だったから。(ビビも学生)

 転生前のビビがイクスに夢中なのを知っていて、イクスを(うらや)ましく思いつつ、彼女に話を合わせていたところ、ふたり一緒に事故に遭い(涙)、こちらの世界に転生。

 イクスになってることにびっくりした彼だけど、どうも市場の幼馴染が、前世の彼女っぽくて…? 確認のため使った言葉が、ビビの記憶のトリガーを引き、以来ふたりの合い言葉になったという流れです。

(ところでふたりはもし捕っても、王様がイクスを息子だと認め、馬鹿王子を廃嫡。ビビとイクスは幸せになる予定)


 浮気症の公爵令嬢と馬鹿王子のせいで、大好きなイクスが牢暮らしをさせられたため、ビビは彼女らに容赦ありませんでした。


 お話を楽しんでいただけましたら嬉しいです♪

 お気に召してくだったら、ぜひ下の☆を★に塗って応援くださいm(__)m

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― 新着の感想 ―
え〜っ。 意外な展開……。面白い。 どんどん展開が変わっていくので、びっくりしました。 隠しキャラいいですよね。 イクスもまさか転生して彼女の推しに受肉するとは思わなかったでしょうね。 めでたし、めで…
みこと。 様 タイトルに惹かれて拝読しました。 「私には運命の人が待ってる」と信じて行動してきたビビが、牢の前で 「乙女ゲーは?」「イクス推し!」の合い言葉ひとつで一気に世界と記憶がつながる瞬間が…
片思い中の彼女が好きなゲームをプレイしてた元男子生徒くんの前世の努力が報われてる…! 一途な人が報われる展開が性癖の自分、大歓喜。好きなゲームの推しが同じ&転生者仲間で距離を縮めた感じだろうか…主人公…
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