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星々のはざまで

作者: 星野☆明美

星間戦争の真っ只中だった。

私は戦闘機の一つに乗り込み、敵機と騙し合いの撃ち合いを繰り返していた。

「カペラ!生きてるか?」

私を呼ぶ声がして、味方機のロイが接近していた。

「生きてるか?ですって?そっちこそ、のこのここんな場所までよく来れたわね」

「この戦闘は嫌な予感がする。一緒に撤退しよう」

「いやよ」

「なにぃ?」

「私には勝利の予感がするの。だからここを突破して敵陣へ乗り込むわ」

「じゃじゃ馬め」

「あら?ついてくる気?」

「うるさい、黙ってろ」

さっきまで小うるさかった敵機を撃破。

その後もロイ機は行動を共にした。

敵陣に乗り込んだ途端、あちらからの攻撃が嘘のように止んだ。

「静かね」

「確かに」

青白く輝く光源に吸い寄せられる。

……なのか?

「え?」

頭の中で響く声。

「お前たちは戦いを楽しんでいるのか?」

「まさか!仕方なくここまで来たのよ!」

「だが、いきいきとして、命が輝いているように思える」

「錯覚でしょ」

ただ、生き残りたいと強く思う。できれば平和な方がいいけれど、この状況下でそれは贅沢だ。

「カペラ?誰と話してた?」ロイが尋ねた。

「わからない」

私はそう言って、光源をじっと見つめた。

戦闘意欲を喪失しないうちにあれこれ決着をつけなきゃならない。でも、湧き出るようにアドレナリンが尽きることを知らない。

私は極限状況下で真の私になる。私という存在の全身全霊をかけて勝つ。

なぜここにいる?なぜ生きている?その答えは今の私にならわかる気がする。

「ロイ?」

「うわああああああ」

ものすごい悲鳴。のたうち回っている様子。

「やめて!」

私が一喝すると、ロイが静かになった。

「カペラ。ロイを無事に送り返す代わりに、お前は私と融合しなければならない」

「ええっ?」

「お前の命が欲しい。私と交わり、より高度な生命体になろう」

いやだ!

私は得体の知れない相手から逃げたいと必死になった。

ドカーン!

青白い光源が破壊された。

「ロイ?!」

「へへ。大丈夫かカペラ」

「ええ。ありがとう」

「ここには用無しだ。帰るぞ」

「はい」

その後、星間戦争はうやむやのうちに終わった。

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