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七話:空の上での一悶着

強風の音がする。竜に乗った時にしか味わえない、身を引き締める風。今は、上空を王都の方向へ移動している途中。私は国軍、突撃空団1に先月から所属しているプリア・レーイ。今日の仕事は検査場の護衛で、帰り道、二人の兄弟が男に襲われていたので助けたばかりだった。

正直怖かった。団長は突然飛び降りちゃったし、メル先輩はいつもより暴力的で暴れてたし。人を守る仕事って大変だなー……………………。

私は飛ぶ他の四匹の竜を見る。

団長は最前を飛んで前方をじっと見ている。真剣でかっこいい。副団長は報告書を書いてる。どうやって書いてるんだろう。副団長の後ろには犯人の男性が伸びているけど目が覚めてないらしい。メル先輩はいつもと違ってきちんと竜に乗って団長の横にピタッとついている。さっき夕飯抜きになったらしいしから撤回しようと必死なんだね。トリル先輩は…………。あぁまた別行動か。

「団長」

前方に大声で叫ぶと「なんだー」といつもより少し気の抜けた声が返ってきた。

「トリル先輩がぁー」

「大丈夫だ―。認めてるー」

へぇ。認めてるんだ。


え?

「何を認めてるんですかー。先輩の別行動…………もといサボリは認められませんよねー」

あっ。という声を私は聞き逃さなかった。それと焦る声も。

「いえ、今回は特例という事で認めています」

副団長の擁護する声が聞こえてきた。いつもの事ながら風に負けて小さい声だが、今日は少し大きく聞こえた。

「あ…………ああ。そうだ。今日はトリルだけ別行動をしてもらっている」

歯切れが、悪い?

「どうしたんですー?体調でも悪いんですかー」

団長に限ってそれはないなと思うが、万一の事があってはいけない。

「いえ?そんなことはないと思いますよ。あ!そういえば団長。今日は全員を労って夕食は大量にステーキおごってくれるんですよね?メルさんを除いて、ですが」

なんで副団長が代弁してるの?

副団長の方を見るとこちらも向かずただただ前を向いている。

団長に直接質問しようとすると「団長!」と悲しそうな大声が聞こえてきた。

「許してくれぇ!今日の夕飯がステーキなんて知らなかったんだぁ!だから……………そう、ちょっと暑くなっちまっただけなんだ!」

メル先輩の竜が団長の竜にかなり接近しているようだが、メル先輩の姿が見えない。団長の後ろ姿がやけに膨らんで見えるのは気のせいだろうか。

「だからぁぁ!頼むよ。シリアムド団長殿ぉ!」

泣きつく大声が空に響く。そこに優しい声で副団長が割り込む。

「まあまあ。メルさん。団長もです。私も彼は怪しく感じました。だからトリルさんに追跡させたんですよね?今回はメルさんのお手柄という事でいいんじゃないですか」

追跡?まさか彼らを!?

「団長!本当ですか!?」

「ええ。先ほど急旋回して追われていきました」

答えるのはまたも副団長だ。さすがの私にもいら立ちが芽生えてきた。「でも……………」と続けて言おうとすると、団長が言葉を強くして言った。

「もう。気にするな」

その言葉を最後に私は口をつぐんだ。団長にいつもと違う厳しい気配がしたからだ。

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