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五話:ここが異世界だと再認識したよ

そう言うや否やその女性は勢いよくこちらに向かって走ってきた。同じ直線状に並んだおかげで顔が良く見える。銅色の短髪に強い顔立ち。女性であった。

「先輩!やめてください!」

悲鳴のようなレーイさんの叫び声が聞こえる。その言葉に鎧の三人が顔を上げた。一人は黒色の肌に黒い髪の少しやせている中年の男性。一人は緑色の肩まである髪が映える白い肌の、銅髪の女性と同じような年齢に見える男性。そしてもう一人はアマちゃんと同じような、健康的に焼けている黒髪の大人な雰囲気の女性だ。この女性は他の人とは違う赤い鎧を身に着けており、一瞬で位の差が明らかになっている。異世界ならではの多様性に感心しつつ、異世界ならではの文明のの低さも実感した。

「『ハンマーソード』!」

いつの間にか銅髪の女性が飛びあがっていつの間にか剣を振り下ろそうとしていた。

「あぁぁぁ!」

レーイさんの発狂に近い声が響く。

「これでぇ、制圧だぁ!」

いつの間にか女性の剣が俺の目の前に来ていた。彼女の茶色の目はギラギラと目を輝かせている。彼女の剣は鏡のように彼女の顔を反射させており、おおよそ二倍の死の恐怖を俺に与えてくる。

避けれない。短い人生。16歳までしか生きる事の出来なかった人生。

「ガギンッ!」

鈍い、金属同士が強く当たる音があたりに響く。

俺はいつの間にか頭を手で押さえてうずくまっていたようで、その音にゆっくりと顔を上げる。

見ると先ほどの黒髪の女性が彼女の身長より長い赤の槍を持って俺の前に立ち塞がっていた。銅髪の女性の攻撃を押さえているらしくギリィギリィと金属の擦れる音が聞こえる。

「メル。少し頭を冷やせ」

冷たく、力強い声でそう言う。すると先ほどまでの勢いは消え、メルと呼ばれた人物が勢いよく後ろへ飛び下がった。

「団長よぉ。そいつは明らかに怪しいですぜ。二度に渡る警告を無視してまで被害者の元に行こうとするなんて……………………口封じとしか考えられねえ」

挑発するような言葉を放つメルに対し団長と呼ばれた人物はため息をついた。

「普通に考えてみろ。この人は被害者の家族だ。さっき被害者を抱えて逃げている姿が見えただろう」

「いや!違うね!」

今にも襲ってきそうなピリついた雰囲気の中、草を踏む音が聞こえたかと思うと先ほどの男性たちがやってきた。

「団長の言うとおりですよ。先ほどの男性がナイフで襲っていたのが見えたでしょう」

黒髪の男性の、弱弱しくも鋭い眼光にメルは一歩たじろいだ。しかしそれも一瞬で今度は男性に反論をする。

「はぁ?そんなの見てねえし。副団の目が良すぎるだけだろ。この目玉」

すると今度はもう一人の緑髪の男性がめんどくさそうな顔をして言った。

「いやお前さっきまで寝てたじゃん」

その言葉にメルを含めた全員が固まった。

「………………メル?」

「ヒィ!」

団長がメルの方へ視線を浴びせていた。ここからは顔は見えないが、メルの怯えようを見るに人間が般若に出会ったときのような顔をしている。

………………なんか団長から黒いオーラが漏れ出てる気がするけど。

「メル?」

団長が今までに聞いたことが無いほどに優しく問いかけている。

「はい!」

メルは剣をその場に捨てて、直立の姿勢を取った。

「少し頭を冷やしましょうか。後今日の夕飯は抜きですからね」

そう言われるとメルは膝から一気に崩れた。

「本当にすみません」

気づくと団長が俺に向かって土下座をしていた。

「私からもすみません」

いつの間にかレーイさんも土下座をしていた。

団長と美少女に囲まれて土下座をされている俺。いつの間にか俺も土下座をしていた。

「ちょっ………ハッ………いやちょっとみんな待って」

緑髪の男性が大笑いしている声が聞こえている。その周囲では黒髪の男性、おそらく副団と呼ばれていた人、がオロオロしている声が聞こえる。

「なにしてるのー」

可愛い声が聞こえた。気覚えのある、俺がずっと求めていた声だ。

唐突の事に全員が声の主を見る。そこにいたのはアマちゃんだ。

「ああ。起きたんですね」

副団さんが安心したように、なにやら紙を取り出して書き始めた。

「けがはありませんか?」

団長はその姿勢のまま優しく声をかけるが、あまりの歪さにレーイさんは団長に起き上がるよう促しているが団長は一切見向きせずアマちゃんの方をじーっと見ている。

俺もできれば起き上がりたいんだけど。

そう思うとアマちゃんがこちらを視認した。「何してるんですか?」と言う少し嫌そうな顔をされたが、すぐに笑顔になりこちらに駆けだしてきた。俺の目の前に来ると見たこともない笑顔で言った。

「何してるの?お兄ちゃん」

はぁ?

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