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第5話 空席

教室の中では隣同士で少し遠慮がちに会話が繰り広げられている


お互い初めて同じクラスになる人が多いのだろう


集合時間も過ぎていて、もうすぐ担任が来るだろうし、皆自分の席についている


貴樹と目配せするが、貴樹は直ぐに隣の女子との会話に戻る


いつもなら多少はやっかみの感情が芽生えそうだが、今日は全くそんな気分にならずに済んでいる


沙凪さなぎはニコニコと話しかけてくる


「そろそろホームルームかなぁ。多分皆で自己紹介とかするんだよね。部活何処入ってるとか、趣味とか言えば良いのかな?特技だったら、うーん、ピアノかなぁ」


「俺は部活入ってないし、何言えば良いかな。こういう時困るんだよな」


涼には趣味も特に無いし、自分から言いたい類の特筆すべき点は無いのでこういう場面では実に困る


うーんと唸りながら、腕を組んで困ったポーズをとりつつ、なんとは無しに周囲を見渡す


長い黒髪が視界に入る


背筋を伸ばして、一人真っ直ぐ黒板を見て座っている


小夜子の隣の男子は後ろを向いて他の男子と話している


まあ、アイツ他の誰かと談笑するタイプじゃ無さそうだもんな


と、その姿勢の良い小夜子の向こうの座席が空いているのを見つける


「あれ?あそこの席欠席かな」


もう集合時間も10分は過ぎている


「風邪とかかなぁ?運が悪いねぇ。席の並びからすると居ないのは女子かなぁ」


確かにこの新しいクラスで自分の立ち位置を見つけないといけないタイミングで休むのは、もしもクラスに親しい人が居ないとすると、だいぶ不運だろう


ただ、沙凪が居ればボッチになりそうになっても放っておかないだろうから、その点では幸運だな








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