失恋ミステリー(仮)
ご自由にお使いください。特に承諾などは要りません。
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A「はぁ。」
B「なんか元気ないな。何かあったの?」
A「実はCちゃんに振られたんだよ。」
B「ええマジで?!
A「うん、しかもさ、Cちゃんが、『AじゃなくてDのことが好きになった』って」
B「うわぁそれは辛いなぁ。」
A「ちょっと立ち直れないわ…」
B「まぁでも、今日にむけて練習してきたんだから、元気だしてやりましょうよ。」
A「いやぁ…厳しいかもな…。」
B「でも…」
A「でも代わりの人呼んできたから。」
B「代役?ちょっと聞いてないんだけど」
A「じゃあ、あとは任せてあるから…」
(Aは舞台から去る。)
B(客に向かって)「ええ…結構打ち合わせとかもしてたんですけどねぇ。」
(なるべく変な格好したやつが舞台に出てくる。)
?「初めまして。よろしくお願いします。」
B「あ、初めまして。Aの代役の方…で、合ってますか?」
?「あ、はいそうです。チワワ軍曹に頼まれて。」
B「チワワ軍曹?」
?「Aさん。」
B「あっ、Aのことでしたか。」
(1秒)
B「変な人来ちゃったなぁ。」
B「はじめまして、えっと、なんてお呼びしたらいいですかね?」
?「僕、Dっていいます。」
B「D?!AとつきあってたCちゃんと新しく付き合った、D?!」
D「はい、僕ですね。」
B「なんで来てるですか?!」
D「じゃあ、漫才の方、はじめさせていただきます。」
B「ちょっと待ってください。」
D「なんですか?」
B「Aから直接、あなたが、代役を頼まれたんですか?」
D「はい、チワワ軍曹が僕に。」
(間髪入れずに)
B「なるほど」
D「あいつハート強いんで。」
B「あー、まぁ強いですねそう考えると。」
D「それでは、漫才の方、はじめさしていただきます。」
D「『失恋あるある』!!」
B「ちょっと待ってください。」
D「なんですか?」
B「失恋あるあるですか?」
D「はい、失恋あるある用意してきたんで。」(フリップを持つ。)
B「ちょっとやめた方がいいかも…」
D「そうですか?」
B「Cちゃんのこととか…」
D「いやでも、Aがやろうって言ってたので」
B「本当ですか?」
D「あいつハート強いんで。」
B「それは分かったんですよ。」
D「Aも何枚か用意してくれたんで。」
B「ほんとですか?」
D「はい。」
D「失恋あるある」
(フリップをだす。)
D「『二人見上げた、あの空のことを思い出す』」
D「『ノートの端に書かれた、苗字の違う名前』」
B「ちょっと待ってください。」
D「なんですか?」
B「やめた方がいいかもしれないです。」
D「ええ?!」
B「今多分、A舞台袖で泣いてます。」
D「本当に?」
B「ちょっと一旦、フリップ見ていいですか?」
B(客に見えないように見る。)
B「あーー。んん?」
B「これ…」
(でかいカナブンの絵)
D「ああ、これは、『カブトムシは雌の方がデカい』」
B「失恋あるあるに入るんすか?」
D「これAが作ったやつですわ。」
B「Aがですか?絶対逆だと思ったっすわ。」
D「あいつハート強いっしょ?」
B「強いですね。強いと言うか、なんで振られたか分かったと言うか。」
D「時間ないんで、最後のフリップだけいいですか?」
B「いいですよ。」
(Eが舞台に入ってくる)
E「あ、すみません、Aに代役頼まれてきたんすけど…」
B「え?」
B「いやでもDさんが代わりに……Dさん?」
D「……」
どうもありがとうございました。