表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

なろうラジオ大賞参加作品

おふだを剥がして封印の壺を開けた天才教授が霊的現象を考察する話

作者: 蒼田

「これを剥がしたらどうなると思うかね? 」

「いや剥がさないでください。こんな如何にもな封印の壺! 」


 助手がそう言い天才教授が溜息をつく。


「はぁ。これだから君は……。学者たるもの子供の頃の探求心を持たなければならんのがわからんのかね? 」

「探求心で死んだら元も子もありません! 」

「研究に徹し、研究に死す。学者にとって名誉じゃないか! 」

「俺はこの前結婚したばかりなのですよ?! 付き合ってられるか! 」


 そう言い残し老齢な男性の元を若い助手が去っていった。

 それを見て再度息を吐く教授。しかし目の前にある、おふだが張られた壺に向いた。

 手をかざして興味のままに「バリッ」と引き剥がす。


「さて何が出るか」

 

 呟いてると壺からただならぬ雰囲気が出る。

 教授はそれに怖気ずく様子もなく、むしろ興奮した様子で観察している。

 カタカタ周りのものが動き始めて、収まった頃には一人の甲冑を着た男性がそこにいた。


『この忌々しい封印をといたのは貴様か? 』

「ふむ。やはり霊的なものが封印されとったか」

『おい。聞いてるのか? この爺! 」

「しかし思ったよりも実態がある。先程の現象も気になる。この者を仮りに霊としてもどのようにして周りに影響を与えた? 一度死亡すると何かしらの超能力が付与されてるのか? いやそう考えるよりも本来人間に備わっていた能力と考える方が自然だ。それが肉体に封印されることによりその機能が使えなくなっている、ということか」

『貴様。呪い殺してやろうか! 』

「ならば、あまり信じてはいなかったがオカルトのやつらが言っていた霊的昇華というのも案外的を得ているのかもしれん。これは忙しくなるぞ! まずは予算の確保からだ」

 

 そう言い甲冑の男に背を向ける。

 封印を解いたことをすっかり忘れて老齢な教授は研究室へ戻っていった。

お読みいただきありがとうございます。

もしお気に召しましたら是非ブックマークへの登録や広告下にある★評価よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ