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サブタイトルって何か教えてください。まだ産まれて44年しかたってないのでわかりません

構想20年執筆20年、渾身の作品です。

泣いてください。

僕は現実を疑った。


僕の目の前には暴力的な騒音の中、死んだような目でただ右手を動かしている中年の男。どうやらパチンコというらしい、人間の娯楽らしいが何がそんなに楽しいのか僕には全くわからない。

だがそんなことは問題ではない、この小汚ない不精ヒゲの男こそ僕の密令であり僕が、いや僕達が長年探していた救世主だということだ。今まで例になかった。


「で、なんや?要件って聞こえんからもう一回言うてくれ」


僕の姿は普通の人間には見えないはずだがこの男には確かに見えている。だから厄介だ。いっそ、僕の言葉が聞こえなければ良かった。でもこれも仕事だ言わなければいけない。いや、大丈夫。このスキンヘッドででこに大きな傷があるこの大男が、まさか僕が今からする依頼を引き受ける訳がないのだ。ちょっと動揺していたからか、少し常識を考えたらわかるはずだ、僕としたことが情けない。

今度はゆっくりスキンヘッドの男に声をかけた。


「そこの君、魔法少女にならないか!」


「おう、ええで」


よっしゃ!そりゃそうだ


…………ん?


「えっと、そこのおじさん。僕はまほろば王国からきたクルックル!今まほろば王国は悪いやつに侵略されてるんだ!魔法少女になって僕たちを助けてよ!」


「おう、ええで」


………いやいや


「そこの、上下ジャージ、スキンヘッドでありながら指が5本あること自体が窺わしいほどの恐ろしい顔付きで年頃はどうみても四十以上で100kgはありそうな巨体を揺らしながらパチンコにふけりタバコの煙をゴジラのごとく鼻から出し、全体的に身体が黒く目が死んでいる男性。


今から、毎週8時間以上拘束 制服は膝下フリル付きの虹色ワンピース、街中の公衆の眼前で全身を赤く塗った変質者等とぐんずほづれつしながらたまにフリルのスカートから他人へパンツをみせつける業務をしてくれないか、報酬はみんなの笑顔、上司は喋る蛾」


「おう、ええで」


おじさんはとても良い笑顔で返事を返してくれた。そんな気持ち良い対応に僕も笑顔になり


「パチンコやってるやつ全員死ね!!」


とパチンコ台に頭を10回くらい打ち付けながら雄たけびをあげて白目を向きながら発狂した。


「うおおお!!なんか空中に浮かんでる潰れた白饅頭みたいなやつが、パチンコ台に頭叩きつけだした!!!」 


…………

……


「失礼、取り乱したようだね」


「取り乱したというか、狂乱していたぞ」


動揺してパチンコ台に頭を叩きつけながら発狂していた僕はオッサンに介抱され外の公園へ連れられた。風景描写させていただくとgoogleで公園 住宅街で検索したら出てくる感じのところにいて、そして今は二人で話をしている。缶コーヒーを買ってくれたが多分僕が飲むと周囲の人間から缶コーヒーが浮いているように思われるからと断ると素直にそうかとオッサンは納得した。案外優しいのかもしれない。


「すまない。取り乱していたようだね。紹介が遅れた、僕はクルック。まほろば王国の外交官をしている。」


「まほろば王国って何やねん、どこのヘルスや」


「仮に僕みたいな潰れた白饅頭がヘルスの従業員だとしたら君は受け入れてくれるのかい?仮に僕がヘルスの従業員だとしたら、君相手に魔法少女にならないか!みたいな文句は使わないよ。そっと君の4本指の掌の上に札束を置いて、俺らのバックについてくださいって言うよ」


「ワシの顔だけをみて指の数を推測すなや。ヤクザやないから。それにな」


「自分を卑下するんやない」


おじさんは僕の肩と手みたいな部位の上に手を置いた。そのグラサン越しの目は優しかった。


「潰れた饅頭やなんて誰が言うたんや、もっと自信を持たんかい!おっちゃんが饅頭奢ったるから元気ださんかい!」


「お…おっちゃん…」


「おっちゃんやない、田中や」


はじめて人の優しさに触れたような気がした。潰れた饅頭呼ばわりしたのは僕の目の前にいる田中とか名乗るハゲなのだが、それでも僕は嬉しかった。


「じゃあさっそく魔法少女にさせてくれや」


この言葉のせいで嬉しさはすぐに消え去ったが。


「いやそもそも、お前からワシに魔法少女になれ言うたんやんけ。なんでそんな渋るねん。」


「どうせ、断るだろうなって思って駄目元で誘ってみたらメチャクチャ食い付き良くてびっくりしたんだよ!」


「なんで駄目元で誘うとかワイの心もてあそぶねん」


「そこまで執着するとはびっくりだよ。君に声をかけたのは、この杖のセンサーがビッカビカに光ったからだよ。この僕が持ってる杖は魔法少女の素質のある少女に反応し、握らせると光を放つ。強く光れば光るほど素質が強いってことなんだが、まさか近付けるだけでここまで光るということは君に余程の素質があるってことなんだ。素質のある人間を見つけたからには見逃すわけにはいかないし、どうせオッサンだから断ってくるだろう、断られたら仕方ない!僕は仕事を果たしたってことになるんだ!」


「なんやその杖、モチーフはち○こか」


「少女に握らせるって言ってるのにモチーフち○この訳ないだろ!!だからヘルスのスカウトじゃないって言ってんだろが殺すぞ糞ヤクザ!」


「まほろば王国ってなんなん極道?侵略ってもしかして警察のガサ入れのこと?外交官の癖に口悪すぎやろ」


田中はそう言うと、肩をすくめて


「ワイは困ってるやつを助けたいんや」


と言った。本心からだとわかる、悪党のような狂暴な顔付きの瞳の中に確固たる正義の心がみえた。まるでその瞳はかの、初代魔法少女のような


「それにスカートはきたいしな」


「死ねよ変態」


僕はハゲをしっぽで叩いた。ぺちっと音がした。


「ようするに、なんや。お前らのまほろば王国っていう祖国が悪いやつに侵略されてるから、人間の少女をスカウトして魔法少女に仕立てあげ、悪いやつと戦わせるってわけか」


ぐっだぐだつまらん話をダラダラしていただけなのに田中はこんなにも話の要領を理解しているのだから頭も悪くないのだろう。全く会話に出てこなかったことまで理解しているから話も進めやすい。


「まあそういうことだね。僕の姿が君に見えているということは確かに君には素質がある。ただ一応とはいえ声かけをしてたさっきの僕は気がどうかしてたようだ。」


本当に後悔している。


「でも、それまほろば王国の話であって人間は関係なくないか?なんで人間の少女をスカウトするんや」


「関係ないと思うだろ?ところがどっこい!まほろば王国とは人間が寝ている時に見る夢を管轄整理している世界線にあるんだ。つまりその世界線を破壊、侵略されると人間は夢を見れなくなる。あるいは夢を支配されてしまい、そうなると夢の中からじわりじわりと心と身体も奴らに支配されてしまうんだ」


「その奴ら奴らって、言うけど誰やねん」


「奴らは、通称。K殺。ポリとも呼ぶよ。時空の支配者で、次元の世界線をひたすら荒らしまくっている最低の奴らさ」


「はい出た」


「何がだよ」


「そんな作り話してまで警察叩くくらいなら素直に僕は警察が嫌いですって言えや」


「本当の話なんだよ!実在するんだよK殺は!なぁ!?話進ませてくれや!ダッラダラダラダラなんでここで立ち話してんだ僕らは!!!!平日の昼間に公園で!」


「大丈夫や、お前の姿は誰にも見えへんのやろ。じゃあ怪しくない」


「僕の姿が周囲から見えないのなら、周囲から平日の昼間っからオッサンが公園で虚空を見つめながらブツブツ一人言を言ってるように思われるだろうが!!余計怪しいよ!!」


「大丈夫や!ワイはみんなから慕われてるんやみてみい」


田中はそういう。そういえば、さっきから周りの住民は温かい目でこっちをみていた。こんな顔面だけで人を恐怖に陥れる男が昼間っから公園で独り言を言ってる割には誰も、怯えたりはしていなかった。

前からもサラリーマン風の男がこちらへやってくるが、田中に気付くと手をあげ気さくに話しかけてくる。


「あっ!田中さん、今日も一人言ですか!せいが出ますね!」


「ほらな?通りすがりのおっさんも挨拶してくれる。せやろ!おっちゃんも気を付けてな!最近不審者が多いからな」


「お前じゃい!!??」


「ワイのどこが不審者や!」


「どこからどうみても不審者やろがい!公園で、独り言を日課にすな!尿検査受けろ!お前は病気だよ病名がないだけでなあ!!あのさあこうしてる間にも、K察のやつはこの地球を支配しようとしてるんだよ!」


今考えても身の毛がよだつ、K察の精鋭幹部のあの3人は、破壊力が段違いである。彼ら一人で星全体の軍隊に匹敵する戦闘力があるという。そんな彼らのうちのひとり、ペニース山田がこの地球に侵入しているという情報も入っている、実際に姿はみたことはないがこうなるともう誰にも止められない。


「あのおっちゃんもな、この街に来たばっかやけど すごい優しいしな。町内会のゴミ掃除には欠かさずさんかしてるんやで」


「町内会のゴミは僕の目の前にいるけどな」


「言葉でワイを殺そうとすな。それにな最近魔法少女にもオッサンが増えてきてるんやで。もう珍しくもなんともない。タイムスリップして織田信長の元へ行くやつと同じくらい魔法少女のオッサンは多いんや」


「魔法少女って何だよ?」


「いやでも確かにそうですよ」


「おっ、おっちゃんいいとこにきたな!」


「やめろやめろさっき気さくにあいさつしたおっちゃん乱入してくなややこしくなる」


「オッサンが魔法少女になるという、いわゆる出オチみたいな題材でありながら既にその題材すら使い古されているとなると、もうアピールポイントがなくなります」


「ちょっと無関係の人出てこないで。もうただでさえどう話を展開していけばいいのかわかんないのに余計混乱してくるとっとと消えてくれ」


「コラ!!そんな冷たくあしらうんやない!丁寧にしてはるのにその口の利き方はないやろ!」


「うっ・・・わ、わかったごめんよ・・」


確かに気が立っていたのかもしれない。この人は、女装願望のあるわけでもなく普通の人なのに、いやなんで普通の人なら僕と会話ができるんだ


「すまんなペニース山田さん」


「いいんですよ田中さんこの子も悪気があったわけじゃ」


「ペニース山田あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああきたああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」


「コラ、呼び捨てに!」


「こいつは、僕らの天敵 k察の幹部中の幹部だよ!ペニース山田!」


「ほ・本当か?」


「はい、K察のペニース山田です」


「ほらあああああああああああああ終わったああああああああああああああああああああああ」


「まだK察やなく警察やって線もあるで」


「警察がペニース山田ですって名乗ったらそれはそれでこの国の治安は終わりだよ」


「K察からやってきた幹部のペニース山田です。」


「ち・ちょっと電話させてくれるかい。まほろば王国、国王様ですかもしもし、あの亀頭みたいな頭をした男はペニース山田ですか?え?間違いない?はいわかりました。やはり間違いないあの男はペニース山田だ」


「え?俺は敵から亀頭みたいな頭した男という特徴で知れ渡っていたの?」


「亀頭ってなんや」


「ちょっと待ってややこしいんだけどこのまま会話をグダグダ続けて、いったい誰が読むの?

誰がしゃべってるかわからんのにどうやって話を進めていったらいいの?」


「じゃあ俺が語尾に亀頭ってつけようか亀頭?」


「いやなんで敵がそこまで気を使うの?やめて!恐れさせて僕らを!」


「それはいい考えだ亀頭!」


「やめろおおおおおおおおおおおおおお田中ああああああああああ!?お前が亀頭って言ったら意味がなくなるだろ!語尾が亀頭のやつふたりと会話する僕という図面ができあがってしまうんだよ!」


「じゃあクルックルも語尾に亀頭ってつけたらいい亀頭」


「それはいい考え亀頭」


「ぎいやああああああああああああああいやあああああああほうわああああああああああああ」


「お・落ち着け!」


「クルットル」


「じゃあさっきの話を続けようか。魔法少女がオッサンというのはもう古いと」


「え?なんで続けるんだろう。もうこの話と地球の運命は終わったはずなのに」


「じゃあ魔法少女を戦隊にしようよ。オッサンも含めた魔法少女」


「あ、じゃあ女の子も入れるってわけね」


「いや全員オッサンだけど」


「え?お前あほなん」


「まだ魔法少女もワイとペニース山田しかおらへんからあと三人は集めんと戦隊にならんからな。ちゃっちゃと集めよう」


「え?絶対に嫌だ。ていうかどうやって集めたらいいんだよ」


「魔法少女になりたいオッサン大集合って広告打って、全国区から選りすぐりのオッサンを新宿に集めよう」


「ペニース山田は地球を滅ぼしたいの?いや滅ぼしたいんだったねそういえば」


「え?ていうかなんでペニース山田魔法少女就任決定事項になっているんだい」


「山田魔法少女就任決定事項これだけみると中国語みたい」


「山田入ってるのに?」


「魔法少女獲得の話はどうなったんだろう」


「あ、そういえばワイの知り合いにお風呂に10年間入ってないことで有名なホームレスがおるんやけど、仕事を探しとってな」


「魔法少女獲得の話と、お風呂に入っていないホームレスの話がどう結びつくの?」


「というかさよく考えたら素質のことばっかりに気をとられてたけど田中が戦力になれるくらい強いかって言われたらそれはまだわかんないよね」


そんな時、悲鳴が聞こえた。


「だ、だれか!?助けて!!!!!!!」


振り返ると、そこには異形の化け物がいた。googleで 久本 学会 と検索したら出てきそうなおぞましいモノが少女へ襲い掛かろうとしている。


「こううううめいとおおおおおにいいいいいいとうううううひょうううううしろおおおおおおおおおおお」


「あ、あれは妖怪ソウカババア!!k察第三幹部の直属の部下だ!?まさかこんなところに現れるなんて!」


閑話休題、もし俺が何か、身なりが怪しいくせに公園を散歩して住民を不安にさせた罪とか下着ドロボーとかいう無実の罪で逮捕されたらこのパソコンも押収され、中身を見られることになるだろうから、もしどなたかご覧になっておられたらよければ「この人は、こんな罪を犯すような人じゃありません!」と擁護してもらっても良いですか?

この小説をみてくれれば警察の方も僕の人となりをわかり、誤解も解けるとは思いますが念のためお願いします。そうしてくだされば僕もパンツ返しますので。


話は戻り、


「妖怪ソウカババアとはある一定の時期に突如現れては上記のような鳴き声をあげながら人間を拉致し洗脳する妖怪であるんだ。他意は一切ありません。」


「ペニース山田!魔法少女云々はおいといて一応僕らの仲間だというならあいつをなんとかしてよ!」


「そもそも田中が一方的に俺が魔法少女になりたいんだと思い込んでるだけで俺は別になりたいとは思ってないし。というかあいつの上司は、俺じゃなくてアナール山田だし」


「アナールとかペニースとか恥ずかしくないの?」


「それより田中を助けてあげようよ。別にあいつに義理はないけど、まだ魔法少女の契約してないならさすがに魔法なしで戦うのはきついだろ。SEIKYOUBUNNRIの魔法を使わないと、あいつには対抗できないぜ」


「そ、そうだ・・でも田中はオッサンで・・だから魔法少女には・・・」


「少女に性別はあるのか?」


「!?」


「少女は女じゃないといけないのか?魔法少女に一番大事なのは性別じゃない!人を助けるって気持ちなんだ!?そうじゃないのか!?」


「そ・・・それば・・」


田中は、悲鳴が聞こえるとすぐその方向へ走り向かった。自らの危険を顧みず、それはまさしくヒーローのそれだった。ただこのままだと魔法をろくにつかえないからなじり殺されてしまう。

少しだけの関りだったがあいつとの会話を思い出す。

亀頭とかち〇ことかなんかろくな会話してなかったが、だが悪い奴ではない・・・

いつも人を気遣い、優しかった。


「ありがとうペニース亀頭」


「ペニース山田な」


「僕は大事なところを忘れていたようだよペニース亀頭」


「ペニース山田な」


僕の中にはもう迷いがなかった。ち〇こみたいな杖を握りしめ、田中の元へ走っていく。もうこの胸に迷いなんてなかった。


「田中!!僕と契約して魔法少女になるんだ!?」



「田中さん参りました・・もう二度とさからいません」


「たなーかばんざーい!」「たなーかばんざーい!」


「うむ、くるしゅうないくるしゅうない!」


そこには、ほぼ無傷の田中が仁王立ちで立っておりその周囲には化け物の残骸がはびこっていた。

住人たちは、そんな田中へ涙を流しながら熱い拍手の喝采で迎えていた。


「おう!今日も悪者退治したわ!流石ワイ!」


「さすがです田中さん!」「さすがです田中さん!」


ペニース山田と僕は呆然とその姿をみていた。ほっとしたのは多分、敵を倒したことよりも田中が無事だったからかもしれない。それほどまでにいつの間にか彼に心を置いていたのだ。


「俺にはさ、臥龍艦隊って自慢の戦力があるんだわ。それでちょくちょく部下を地球に派遣してたんだがどうも音沙汰がなく埒があかんと思って俺が直接艦隊ごとここに連れてきたわけよ。本格的に侵略しよう思ってさ」


ペニース山田が語りだした。


「そんな艦隊はどこにいるんだい?」


「あの田中とか名乗る男の横でおねんねさ!」

ペニース山田は叫ぶと白目を向いて泡を吹きぶっ倒れた。


「ペニース山田!!」



正直敵が倒れても介抱とかする気がないので田中の所へ走っていった。


「田中!!」


「よう、クルックル。気付いたら体が動いてたわ、なんやすまんかったな。あかんかったか?」

田中はバツの悪そうに頭をかく。馬鹿だなと僕は思った。


「田中!ダメなわけないじゃないか!?君は正義のために動いたんだ!どうして批判のそしりを受ける必要があるんだい!」


ぼくが言うと周囲の人間たちがうおーと野太い声を上げた。ちょっと意味が分からなかった。


「まぁちょっと怪我したからな。今まで何回もこういうやつらを倒してたからな」


そういえば山田が言っていた。何回か部下を派遣していたと。かなり強いやつなはずだ。そういうやつを田中は今まで倒していたのだ。しかもそれを誇ることがなく、すごい男だ。


「魔法少女になりなよ」


「え?」


「君は、すごい奴だ。本当にすごい。僕は負けたよ。いや君を誤解していた。おっさんというだけで君に魔法少女になる資格がないと思い込んでいた。僕が馬鹿だったよ。でも君は、いや君こそが僕らの探していた魔法少女だ。今までの非礼は詫びる。僕らに力を貸してくれないか。お礼はなんでもする、僕らに力を貸してくれ」


「ええんかクルックル。ワイなんかをスカウトしちゃ外交官としての資質を問われるんちゃうか」


「誰にも文句は言わせない。君の実績と、君の素質と、君に僕のすべてをあずける。たのむ」


ぼくが肩なのか手なのか足なのか触手なのかよくわからない部位をさしだすとぎゅっと、田中は握り返してくれた。力強くごつごつしていたがなによりも心強かった。


「よろしく」


そういったと同時に、電話が鳴った。王様だ。


「はい」


『よう、クルックル。地球にペニース山田とその艦隊が襲来したようだが。 魔法少女共は無事か?

それ以外はどうでもいい。とにかく金づるだけは確保しておくんだ』


「そんな必要はありませんよ」


『ああ?何を言っておる貴様は! 金づるだけこっちへよこせ!あとはそいつらごと地球を爆破しろ!

とにかくうちの王国に攻めてくることだけはさけよ!自爆でもなんでもいい!家督は保証してやるから』


「相変わらずですね。王様。大丈夫です、ペニース山田の艦隊なら撃破しました。」


『・・・お前。操られてんのか、内応か?』


「それなら魔力を感知したら良いでしょう、それで信じられるはずです。非常に優秀な魔法少女をスカウトしましてね。彼がすべて倒してくれました事実です」


「彼?いや、、確かにそうだな。地球には居ない。だがお前風情がそんな大仕事を成し遂げたとは考えられん。アナール山田は気まぐれな奴だ。どうせ途中で帰っただけだろう。その機に手柄を横取りとは卑怯な奴だなお前も」


「じゃあ、連れて行っていいですか?」


「あ?」


「その魔法少女を連れて帰っていいですか?ペニース山田一味に再起不能の大打撃を与えたほどの魔法少女です。恐れながら王様直々に褒美、お言葉を賜ることができたなら彼にとっても光栄余りあることかと」


「彼? そうだな。それはそうだ。自らの首を絞めているようだな。私がケチだと侮っているのだな。よかろう、連れてくるがよい。そしてそれが真なら大義のほか何物でもない。そちがのぞむことをなんでもしてやろう」


「本当ですか?」


「ああ、二言はない。ただ、それが嘘だった場合。わかっているよな?余は、クズはいらんぞ」


「はい。王様に誓いまして、すぐにそちらへ向かいます」


「楽しみにしておる!?余を驚かせてみるが良い、フッハッハ」


そういうと王様は電話を切った。


「田中氏、今からまほろば王国へきてくれないか」


「王様は君を魔法少女にさせてくれるらしい。良かったな。

ただ王様はたまにK察に操られることがあって、土壇場で約束を反故にする場合があるのでそういう場合は

すこしきついお灸をすえてやってくれれば正気に戻る。すまんがお願いできるかい?」


「わかった。準備満タンや!まかせんかい!」


田中はアップを終えたようだ。


次回、まほろば王国編 こうご期待











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