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85 ドミニク商会

更新再開です。


今後の更新は、基本1日おき、たまに連日、でいきたいと思ってます。


改めてよろしくお願いします。

「お~~~!!!」

リョウが思わず声を上げる。


視線の先には、このシルフィード王国の王都シルファンがあった。


さすが王都、ガリアやメイフィールドの城壁よりもはるかに長く

3倍はあるのではないだろうか。

そして、そこへ続く道幅も馬車が4~5台並んで通れるほど広い。


出入りする馬車や荷車、人の数も桁違いである。

それをさばくためであろうか、大きな門の左右に少し離れて

やや小さな門があり、付近一帯は広場になっている。


「さすが王都ですね」

リョウがオリビアたちに話しかける。


「おかげで、無事に帰ってくることができましたわ。

リョウ様、ありがとうございます」

オリビアが礼を言う。


途中の道では、結局、たいしたことはなかった。

怪しい者は2人いたが、ただの物取りや強盗で、未遂だし

面倒だったので、骨折しない程度にボコボコにして放っておいた。


「いや、護衛は学園までですから、まだ終ってませんよ」


リョウはそう言うが、王都の中で昼日中ひるひなか

馬車を襲う暗殺なんてめったにあるわけはない。

寄り道したり、オリビアが馬車から降りたりしなければ、

大丈夫だろう。


城門も貴族専用の入り口から簡単な検査で短時間で入れた。


「社交の季節じゃないと、早くていいですわね」

オリビアが言う。


「そんなに混むのですか?!」


「国中から領地持ちの貴族が集まってきますので。

しかも、うちのような下級貴族は、上級貴族が来たら

順番を譲らないといけないのです」

リョウの問いに、うんざりしたようにオリビアが言う。


わかっていたことだが、貴族と言ってもいろいろ大変なようだ。

なのに、姪のオリビアを殺してまでなろうとする者がいるのだから

世の中はわからない。


まあ、エレールがうまくやってくれているなら、その叔父も

あと数日のうちに報いがくるだろうが。


リョウはガリア辺境伯領へ帰る途中でノーレッジ子爵領に

寄り道して確認しておこうと考えていた。




馬車は王都の大通りを進んで行く。


大きな商店が並び、さまざまな物を売っていて、買いたくなるが、

今は我慢である。


そういえば、アンジェリカから直営店の紹介状を貰っていたと、

思い出したリョウは、オリビアに店のことを聞いてみる。


「ドミニク商会といえば、この王都でも有数の大店おおだなですわ。

もうまもなく見えてくるはずです」


少し進むと、たしかにドミニク商会という看板を掲げた

ひときわ大きな商店があった。

ちなみに、ドミニクというのは、5代前のメイフィールド伯爵の

奥様の名前だそうである。


「ドミニク商会に何の御用ですの?」


「メイフィールド伯爵夫人から紹介状をいただいたもので・・・」

リョウがそう答えたとたんに、


「え?!ドミニク商会の紹介状!!」

「私も付いて行きたい!」

「寄り道しましょう!!」


女性3人の食いつきが半端ない。


ドミニク商会は、さまざまなものを扱っているが、特に女性が

好きな服飾品で有名なのだそうだ。

女性であれば、一度は店に入ってみたいらしい。


リョウが寄り道はダメだと言うが、こんな機会を逃したら

一生後悔するという女性3人の圧力に護衛隊長までも折れた。


「まあ、リョウの旦那が一緒だから大丈夫だとは思いますが、

くれぐれも注意してくださいよ」

ドミニク商会の入口前で、護衛隊長が念をおして言う。

「ジュリア、命に代えてもお嬢様を守るんだぞ!」


「もちろんだ!わかっている」

そう答えるジュリアだが、浮かれているように見えるのは

気のせいだろうか・・・。


微妙に不安なリョウであった。

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