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79 魔物使い

今日も更新しちゃいます、うぷぷ・・・。

「まったく、人のことをののしったくせに、惨敗ではないか」


襲撃現場から数百m離れた小高い丘から男が様子を見ていた。

そばには、ブラッドウルフが3匹いる。


彼は、ブラッドウルフによるオリビアへの襲撃を失敗したため、

雇い主からさんざんに言われていた。


そして、雇い主たちは、『犬ころなど役にたたん!!』と、ののしり、

自分達で罠を張って待ち伏せをしていた。


ところが、その雇い主が真っ先に弓で射られて倒れ、

一気に襲い掛かられて、あっという間に全滅である。


場合によっては、そばにいる3匹のブラッドウルフを使って、

殺されたブラッドウルフたちの仇をとるつもりであったが、

そんなタイミングはまるでなかった。


「くそっ!出直しか・・・」

そう言って襲撃現場に背を向けたところ、


「いや、ここで終わりだ」

後ろから声をかけられた。


あわてて振り向く男だが・・・。


「ぐはあっ!」


剛斬丸の峰打ちを受けて昏倒する。


さらに、


「ギャン!」


3匹のブラッドウルフは、全て斬り捨てられる。


もちろん、やったのはリョウである。


サーチにひっかかった人間1人とモンスター3匹の集団。

そんなもの、魔物使い(テイマー)以外ありえなかった。


ブラッドウルフを収納バッグに入れ、魔物使い(テイマー)を肩に担ぐ。

そして、襲撃場所に走り始めた。




リョウが襲撃場所に戻ると、荷馬車は道の端に寄せられ、

襲撃者たちが横たわって並んでいた。

もっとも、その半数以上は死体であったが。


「リョウ様!!!」

リョウが近づくと、ジュリアが声をかけてきた。


「心配したんですよ! いきなり居なくならないでください」

ジュリアはちょっと涙ぐんでいる。


「すみません、あの丘に覗き魔(ピーピングトム)がいたので

退治してきました」

そう言いながら、担いでいた魔物使い(テイマー)を襲撃者の列に加える。


「え?!この短時間で!!」


「ええ、ゴディバ夫人(レディゴダイヴァ)並に突っ走ってきました」

どんとすとっぷみーなう、である。


「だから言ったろ!この旦那がやられるわけないって!」

護衛の1人がジュリアに言う。


言われたジュリアは、ぷくっと頬をふくらませる。


そのかわいさに、リョウはジュリアのほっぺたをつつきたいが

我慢して、その護衛に聞く。

「それより、皆さん、怪我はないですか?」


「ベンがやられたが、命に別状はないと思う。あとは軽傷だ」


リョウは、ベンという護衛のところに行く。


「傷の具合はどうですか?」


「ああ、これぐらいたいしたことないさ」

ベンが痛さに顔をゆがめながらもそう言う。


「内臓までは、いってないので化膿しなければ大丈夫だと思います」

ベンの手当てをしていたメイドが言う。


「ちょっと見せてください」

そう言ってリョウは包帯の上から患部をサーチする。


「たしかに内臓は大丈夫ですね。傷も治してしまいましょう」

そう言って、ヒールをする。


「「 え?!!! 」」

ベンとメイドが驚く中、患部を光が包み込み、そして消える。


「もう包帯を取っても大丈夫ですよ。・・・ん?!」


驚いた顔でリョウを見るメイドの頬に擦り傷があった。


「あらら、女の子の顔に傷なんて・・・ちょっと動かないで・・・」

そう言って、メイドの頬にも手を当て、ヒールする。


「はい、元の美人さんに戻りましたよ」

リョウは相変わらず、いいお兄ちゃんキャラであるが、

メイドさん、顔真っ赤である。


「リョウ様は、ヒールまで出来ますの?!!」

オリビアが側に来ていた。


「はい、魔法の属性が聖ですので。オリビア様もお怪我は

ありませんか?」


「皆のおかげで、かすり傷ひとつありませんわ。ところで、

覗き魔(ピーピングトム)の男は誰ですの?」

たぶん、ジュリアに聞いたのだろう。


「ブラッドウルフを使役していた魔物使い(テイマー)です。

あちらの丘から見ていたので、行って捕まえてきました。

生き残りのブラッドウルフも倒しましたが、他にも使役モンスターが

いるかもしれないので注意してください」


「まあ!・・・ほんとうに・・・リョウ様と出会えたのは

天の配剤ですわね」


オリビアが感心したように言うが、少しあきれているような

感じがしたのは、気のせいだろうか・・・。

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