77 王侯将相・・・
久しぶりの3日連続更新です。
襲撃についての話の次に自分のお約束の設定を話すリョウ。
そして、アンジェリカ一行を助けたことにより、
ガリア家とメイフィールド家に縁が出来たこと、
指名依頼で王都に向かっていることを話す。
「では、正式にお仕えしているわけではないのですね?!」
オリビアが嬉しそうに言う。
「本当に異国の賢者様でしたか・・・」
ジュリアが尊敬のまなざしでリョウを見る。
「相談役みたいなかんじですね。国に帰らなければ
なりませんので、誰にも仕えるつもりはありません」
誰にも仕えないということは、念を押しておく。
「でも、愛する女性が出来たりしたらどうなさいますの?」
オリビア、ぐいぐいくる。
「愛する女性と貴族に仕えるのは関係ないのでは?!」
「その女性が貴族かもしれないじゃないですの」
「その方に貴族をやめていただきます」
「1人娘だったら?!」
「親戚からでも養子をもらうのでは?!」
「それが、いなかったら?!」
あまりのオリビアのしつこさに、あきれるリョウだが、
妹の恵と他愛ない話をしている感じで、ちょっと楽しかった。
しかし、きりがないので、
「実際にそのときになってみないとわかりませんので。
それより、学園のことを教えてください」
と、話を変える。
オリビアもやりすぎたと思い、素直に話題を変更する。
学園は、何かの事情がない限り、基本的に12歳から15歳までの
3年間在学する。
全寮制で貴族しか入学は許されず、たまに形式だけ貴族の養子となった
豪商の子弟がいる。
3年間は短いようだが、貴族は入学までに家庭教師などを雇い
教育を済ませておくのが常識で、学園の3年間は総まとめと
集団生活や交流が主な目的だそうだ。
卒業後は、騎士団や役所関係に就職したり、領地持ちの貴族の
場合は、自領に帰って仕事や修行をする。
平民の教育は、読み書きと簡単な計算が出来れば問題ないので
レベルがはるかに低く、各家庭や教会、奉公先などで行われる。
そのため、貴族と平民の教育水準は比較にならないほどの差がある。
(ある意味不公平だが、住み分けが出来ているということでも
あるか・・・下手に教育関係には手をださないほうがいいな。
学校とか作って学生が『王侯将相いずくんぞ種あらんや』とか
言い出したら、えらいこっちゃ)
などとリョウは考えていた。
「ウォルター様とパルマ様は、どのような方なのですか?」
会う前の予備知識として聞いておく。
「ウォルター様は学業はもちろん、武術も優秀で特に剣においては
学園一と言われております。パルマ様は、学業はやや劣りますが
面倒見がよくリーダーシップがあって、生徒会長をされています」
それって、まるっきりシュタイナー様とアンジェリカ様のミニ版だよね。
何か嫌な予感がするリョウであった。




