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70 合法○リ

20日ぶりの連日更新~♪

「なるほど、ポイントは過熱と冷却にあるということだね」

メイフィールド伯爵が言う。


「はい、沸騰の後、火が強すぎると水が多く蒸発して

冷却したときにアルコール度数が下がりますし、

燃料も多く使ってしまいます」

蒸留器を前にリョウが説明する。


「冷却についても、これはなるべく簡単にするために

こうなりましたが、流水を利用したりすれば、効率が

上がるかもしれません」


「ふむ・・・、とりあえず実際に作ってみてからだな。

ガリアはエールではじめたということだが、ここでは

流通の関係で安いワインがあるので、それではじめてみよう」


「ワインの利点はエールやラガーよりアルコール度数が高いので、

蒸留回数が少なくなるということですね。ちなみに、エールや

ラガーから作ればウイスキー、ワインからならブランデーと

呼ばれます」


一般的にワインはビール類の2倍以上アルコール度数が高い。


「ブランデーか、いい呼び名だ。作ったら、持ってきて

もらったウイスキーと飲み比べてみよう」

この人もお酒好きのようである。


「私の国では、使ったワインの樽にウイスキーや

ブランデーを入れて熟成させるところもありますので、

再利用できるワイン樽があったら、試して下さい」


「なるほど、それも面白いな。しかも経費の削減にもなる」

やはり、商業の街の領主だけあって、そういう部分には

敏感なようである。


その他にもいろいろと説明して、リョウが与えられた部屋に

戻ったのは、真夜中であった。




そして・・・


「なぜ、そんなところに??」

「ただの見張り。気にしないで寝る」

「気にするわい!!」


エレールが部屋の隅に隠形おんぎょうで隠れていたのだが

リョウのサーチであっさり見つかっていた。


「危害を加える気はない。ただ、見てるだけ」

どこかのTVCMのようなことを言うエレール。


「見られてたら、着替えも出来ないだろ!」


「軍で見慣れてるから大丈夫。あなたが○ー○ーでも気にしない」


「誰がホ○ケ○だ?!!!!」


などと言い争っていても、エレールに悪気はないのは

リョウも感じている。ただ、感覚がズレているだけだと。


「まあ、いつまでもそんな隅にいる必要もないので座ろうか」

エレールに椅子をすすめる。


「ん」

素直に座るエレール。


収納バッグから果実ジュースをだしてグラスに注ぎ氷を浮かべる。

氷をいつでも使えるように、ガリア家で作ってもらって

収納バッグに保存しているのだ。

お茶菓子は、ポテトチップスである。


エレールが16~7歳に見えるので、妹の恵を思い出してしまって

つい世話を焼いてしまうリョウである。


「どうぞ」

エレールにジュースとポテチをすすめる。


「何これ?」


「ポテトチップスというジャガイモを薄く切って油で揚げた

お菓子だよ。試しに食べてごらん」


「ジャガイモ?!」

エレールは小さめのポテチをつまむと、口に入れる。


パリパリコリコリ・・・・


「んっ!」


飲み込んだ後、今度は3枚同時に食べる。


パリパリパリ・・・・


そして、全部食べた後、ジュースを飲んで一息つく。


「ジャガイモがこんなふうになるなんてすごい」

感心したように言うエレール。


「油で揚げるという調理法が知られてないということだからね。

鶏肉だとこんなふうになるよ」

カラアゲを3個、ポテチが入っていた皿に入れる。


実はこれは、ガリア家のメイドさんたちにあげようと

思っていたものだが指名依頼騒ぎで忘れてしまっていたのだ。


まあ、旅中の食事にでもすればいいし、メイドさんたちには

帰ったときに、何か作ってあげればいいだろう。


「すごい!これもおいしい!」

ペロリとカラアゲを食べてしまうエレール。

もっと欲しそうな目でリョウを見るが、


「寝る前に、油物は体によくないから、ここまでね」

とリョウに言われてしまう。

「あっと・・・ちょっとアーンして」


リョウにそう言われて、少し迷うが口を開けるエレール。


「クリーン!」

浄化魔法をかけるリョウ。


「虫歯になったらいけないからね。じゃ、寝るから

部屋を出て行って」


「その必要はない。一緒に寝る」

「え?!!!」

「Hな意味はない。確かめたいことがある」

いきなり、とんでもないことを言うエレール。


「何を確かめると??」

一緒に寝て、何を確かめられるというのかわからないリョウ。


「何かあったとしても、私は成人だから自己責任。

犬に噛まれたと思ってあきらめる」


「俺は犬か?!というか、何歳なの?」

見た目、10代半ばぐらいにしか見えなかったが・・・


「22歳」

しっかり成年であった。


その後いろいろあったが、結局押し切られて一緒に

寝てしまうのであった。

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