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59 鶏料理

「これは、プリンと言って私の国で大人気のお菓子です」

リョウが説明する。


「何か、黒いものがかかっているが大丈夫なのか?!」

シュタイナーが聞く。


「それは、カラメルソースと言って、砂糖をわざと焦がして

苦味と香りをつけたものです。まずは、カラメルソースが

ついていない部分を食べてみてください」


そういえば、欧米人は黒い食べ物というのは、慣れて

いないと聞いたことがあったな・・・とリョウは思った。


「わっ!」

「あら!」

「まあ!」

「・・・」


「溶けてなくなった!」

フェルナンデスが言う。


「その柔らかさと舌触りが特徴ですね。次はカラメルソースと

一緒にどうぞ」


「「「「「「 !!! 」」」」」」


「苦味が甘さをひきたてて、おいしさが増していると

思いますが、いかがでしょう?!」


「確かに、これはこのソースがあったほうがいいわね」

アンジェリカが言う。


「ボクは、ないほうがいいかな」

フェルナンデスは苦味が苦手なようだ。


「そう?!このソース苦いけど、おいしいですわ」

マリエールはお気に召したらしい。


「リョウ、2つあるのはどういう意味なの?」

イレーネが聞く。


「あ、そうでした。少しだけ材料を変えてあるので

どちらが好みか教えてください」


「ん?!こっちが少し甘いかな」

「どっちかといえば、こっちがいいですわ」

「どっちも同じぐらいおいしいです」

「ぱくぱく・・・」


子供たちは砂糖のほうが好きなようだ。大人は

半々というところか。


「白い皿は砂糖、青い皿は、この麦芽糖を使っています」

リョウは麦芽糖の入ったガラス瓶を出しながら説明する。


「この前、説明したように甘さは砂糖より弱いですが、

ずっと安く作れます。さらにこのように・・・」


リョウは、2本の棒で麦芽糖をすくいとる。

そして、1本ずつ両手に持ちねはじめる。


「こうやってねて、中に空気を含ませて

舌触りをよくします」


「あ、白くなってきた!」

フェルナンデスが言う。


「これぐらいでいいかな?!どうぞ」

リョウは、フェルナンデスとマリエールに麦芽糖の

ついた棒を1本ずつ渡す。


「なめてみてください」


「「 ! 」」


口に含み、夢中でなめる2人。


大人たちにも棒を配る。


「どうぞ、試してください。液状の飴なので、

水飴とも呼ばれます」


麦芽糖を棒ですくいとり、ねはじめる大人たち。

なかなか楽しそうだw

そして、舐めはじめる。


「リョウ、これも帰るときに頂戴ね」

水飴をなめながら、アンジェリカが言う。

ちょっとかわいい。


「はい。これは、材料が手に入りやすいので、

作り方を書いたものもお渡しします」


「ありがとう。あ、このプリンやこの前のトンカツなんかの

作り方も頂戴ね。明後日帰る予定だから、頼むわね」


「了解しました。それでは、明日の夕食は私が

作りましょう」


「ホント?!トンカツ作って!!」

フェルナンデスがくいついてきた。


「トンカツもおいしいけど、他の料理も食べてみたいねぇ」

イレーネが言う。


「そうですね。鶏料理はどうでしょう?」

リョウが提案する。


「え~~?!鶏~~・・・」

フェルナンデス、お気に召さないようだ。


「リョウ。鶏は、庶民の食べるものというイメージが

あってな。うちでは、あまり食べないのだよ」

シュタイナーが説明する。


「それはちょっともったいないです。試しに私の

作ったものを食べてみてください」


「ほほう、自信があるようだな。よかろう、作ってくれ」

シュタイナーが許可する。


「リョウが作るものなら、きっとおいしいですわ」

マリエールもリョウを信用してくれてるようだ。


「そういうことなら、リョウ、メイン料理だけじゃなく

スープや副菜も頼むわよ」

アンジェリカの要求レベルが上がった。


「はい、もとよりそのつもりです」

問題なかった。








「ちぇ~~~、トンカツがよかったのに・・・

ぶちぶち・・・」


そして、あきらめの悪い者が1人いた。

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