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511 地球産ウイスキー

今回、好きなウイスキーのネタだったのでちょっと暴走ぎみです。

どうぞ、生暖かい目で見てくださいな。

リョウはナミカが持って来た地球産ウイスキーを段ボール箱から

取り出してテーブルの上に並べていく。


「今回は普段飲み用なので、長期熟成物は入れてないッスよ」

ナミカが言う。


「いえいえ、これで十分です」


テーブルの上には、ホ〇イト〇ース・ファインオールド、ティー〇ャーズ・

ハイランドクリーム、デュ〇ーズ・ホワイトラベルが並んでいた。

スコッチウイスキーを代表する銘柄である。


リョウは、これらをハイボールで飲むのが好きである。


ちなみに、ハイボールの語源の説はいくつかあるが、そのうちの由来の

1つがデュ〇ーズであったりする。


デュ〇ーズの創業者の1人であるトミー・デュ〇ーが営業でアメリカに

行き、バーでウイスキーのソーダ割りを出されたときに、

『こんな小さなグラスじゃなくて、もっとhigh(ハイ)(背の高い)グラスの方が

have(ハブ) a() ball(ボール)(楽しめる)』と言ったのがハイボールに

なったということだ。


『楽しむ』は、enjoyやhave funが多いようだが、have a ballも普通に

使われる慣用句のようだ。


ク〇ーンのDon't stop me nowにも、I'm having a ballという歌詞が

でてくる。


日本語の『楽しむ』と『たのしむ』みたいなものなのかもしれない。


「おや?!」

思わず声を上げるリョウ。


直方体の形のボトルに下から上へ銘柄名が印字され、破れたデザインの

ラベルと一体化した特徴的なボトルが出てきたのだ。


「アイリッシュウイスキーといえば、普通はジェ〇ソンだと思うッスけど、

今回は、バ〇カー・アイリッシュにしてみたッスよ」


スコッチとともにウイスキーの発祥と言われるアイリッシュウイスキーだが、

20世紀に入って衰退し、一時は蒸留所が2件しかないという事態に

おちいっていた。


だが、徐々に復興しはじめ、醸造所も増える中、2020年に新ブランドと

して発売されたのが、このバ〇カーだ。


日本では、2021年10月に発売が開始され話題となったウイスキーである。


「うん、いいチョイスです」

ナミカに向かって親指を立てるリョウ。


そして、いよいよ日本産のウイスキーである。


まずは定番の角〇。

スッキリしたクセのない味で、ハイボールの定番の銘柄である。


残念ながら、今月1日に値上がりして庶民価格からは、微妙にはずれて

しまった感じがある。


個人的には代替品として似た味のフォ〇トウィ〇アムをおすすめする。

まぎれもないスコッチであるが、ニ〇カが所有する醸造所で日本人向けの

クセのないブレンドをされたウイスキーである。


角〇2本分の値段で3本買える価格(うちの近所の量販店では消費税込み

1188円でした)なので、コスパも十分であるが、気に入らなくても

苦情は受け付けませんので、試すのは自己責任でよろしく。


そしてブラ〇クニ〇カ・スペシャル。


この価格帯にしては充分な深みとコク、適度なピート香、42度という

少し高めのアルコール濃度、レギュラーボトルは地味に嬉しい720ml

入りと、ある意味、最強ではないかと思われる銘柄である。


そして、同じブラ〇クニ〇カの、ディープブレンドも入っていた。


リョウが、この価格帯で最も好きな、アルコール度数45度の

ウイスキーでピート香もスペシャルより強くなっている。


「そして、バーボンは当然これッスね!」


メー〇ーズ〇ークである。


リョウが全てのウイスキーの中で一番愛している銘柄だ。


バーボンの原料は、51%以上と定められているトウモロコシの他は

ライ麦を使うことが多いのだが、これは小麦を使うことで独特の

まろやかさを生み出している一品である。


リョウはストレートやロックで飲むのが好きであった。

特にロックにして飲んだとき、舌の上を通る時に感じるすっきりとした

甘さがいいのだ。


「もう1つは、これッスね」


バーボンの定番ジ〇ビームであった。


このガリアで作るウイスキーは、どうやらバーボンっぽくなるようなので

参考にするには一番いいウイスキーだろう。


「と、まあ、こんなとこッス。ほいっ・・・」

そう言いながら、両手を広げるナミカ。


デキる上司に対して、お礼のハグのおねだりである。


もちろんリョウは、断ら・・・なかった。


ギュッ!

「えっ?!!」


てっきり、以前のように断られるかと思っていたナミカ。

抱きしめられて困惑する。


さらにリョウが耳元で

「いつもありがとうございます、大好きですよ、ナミカさん」

なんてささやいたため、


「うぴぴぴ~~~っ!!!」

ナミカはリョウを突き飛ばすようにして離れた。


「「 ・・・・・・ 」」

離れて見つめ合う2人。


「うぷぷぷ・・・、あっはっはっは・・・」

そして我慢できなくなったリョウが笑い出す。


「リョウさん! やってくれたッスね・・・」

ナミカの顔は真っ赤である。


「いいじゃないですか、たまには、からかわれる方になるのも・・・」

リョウは、そう言いながら収納バッグからグラスを2個取り出し、

水属性魔法で作った氷を入れる。


そして、メー〇ーズ〇ークの封を切り、グラスに注いで、1つを

ナミカに差し出す。


「はい、どうぞ」

「・・・」


「乾杯!」

カチン


リョウは、ナミカが受け取ったグラスに自分のグラスを軽くぶつけた。


「・・・ったく・・・しょうがないッスねぇ・・・」


ナミカもリョウのグラスに自分のグラスをぶつけ返す。


そして、2人でのんびりとウイスキーを楽しむのであった。

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