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46 醸造所

リョウは、シュタイナーの妻のマーガレットに

後で調理室を使う許可をもらって、街に出かけた。


もちろん、レイナも一緒である。


リョウは、学者スタイルが気に入ったので譲ってもらった。

街中を歩くのに冒険者スタイルは重いし、貴族服は堅苦しい。


というわけで、今は学者スタイルにショートソードを佩いている。

もちろん、ボサボサ頭は整えてあるが、なんとなく眼鏡は

かけていた。


レイナにも文官スタイルでと頼んだのだが、断られてしまった。





まずは、冒険者ギルドである。


緊急事態だったので、エリックに言われるまま協力したが

正式に依頼されたわけではないので、報酬等がどうなるのか

聞かないといけない。


ギルドに入り、アンナが受付にいないのを確かめて、

エリックに取り次いでくれるように言う。


「はい、伺っております。討伐、お疲れ様でした」

すぐにキルド長室に通された。


「やあ、リョウ、今回はありがとう。大事件を解決して

くれそうと言った翌日に、本当になるとはね。

白銀の魂のメンバーも3人目が、見つかったと連絡があったよ」

お茶を淹れながらエリックが言う。今回は紅茶であった。


「お役にたてて、よかったです」

リョウはそう言って、紅茶の香りを嗅ぎ一口飲む。

柔らかな香りと味。上質の紅茶のようだ。


「それで、報酬なんだが、すまんが今回は金貨10枚で

我慢してくれないか」

エリックが申し訳なさそうに言う。

「アンデッドは素材を残さないし、白銀の魂の

捜索のほうに費用がかかってしまってね」


そういえば、ターンアンデッドをした跡には何も

落ちていなかった。


どうやら、この世界では魔石とかは、ないらしい。


白銀の魂の捜索に力を入れているというのも、リョウとしては

好感が持てることであった。


「はい、問題ありません」

「そうか、助かる」

エリックは、金貨10枚をテーブルに置く。


「はい、確かに受け取りました」

リョウは、収納バッグから皮袋を出し、それに金貨を入れ、

収納バッグに戻す。

そして、書類に受け取りのサインをした。


「この件が落ち着いたら、茶畑の手伝いをしますので

声をかけてください」

「うむ、ぜひ頼む」


挨拶をして部屋を出たリョウたちは、アンナに

見つからないように、こっそりとギルドを出た。




そして2人は昼食をとるために、鍛冶屋のガラントに

教えてもらった店:カヌレ亭に来ていた。


今回は、お昼のランチにワイン一杯ずつだけである。


「お姉さん、ラガーやエールを作っているところって

ここから遠いですか?」

リョウがウエイトレスに聞く。


「んっと、ハタクック醸造所なら、北西の通用門から出て

2kmぐらいです。ブンゲ醸造だと北門から3kmぐらいですね。

どっちも道なりにまっすぐ行けば、ありますよ」


「わかりました、ありがとう」

リョウはチップに小銀貨1枚を渡す。


「あら、ありがとうございます」

ウエイトレスは上機嫌で厨房に戻って行った。


「リョウ様、醸造所で仕入れでもするんですか?」

レイナが聞く。


「お酒も仕入れるけど、今回欲しいのはモルトです」

「モルト?」

「ラガーやエールの原料ですね」


2人は食事をすませた後、北西の通用門から

ハタクック醸造所に向かった。




ウエイトレスの言ったとおり、醸造所はすぐに見つかった。


リョウは、従業員らしき男に声をかける。


「すみません。モルトを少し分けていただきたいんですが

誰に言えばいいでしょうか?」


「あぁ~~~ん?!モルトを分けろだと?!!!」

男がすごむ。40歳前後のいかついおっさんである。

「貴様、ブンゲ醸造の回し者か?!!」


「私は、領主のシュタイナー様からの依頼でこの領の

特産品の開発をしておりますリョウと申します。

冒険者ギルドでは、Bクラスです」

ギルドカードを見せながら、落ち着いて話すリョウ。


「その若さでBクラスか?!・・・・

よかろう、話を聞こう」

おっさんに案内されて、リョウとレイナは醸造所の

建物の中に入っていった。

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