表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
36/520

36 大事件

酔拳の実験台にされた3人の若い兵士たちは

リョウと剣での勝負を要望した。


(いや、『剣なんか必要ない』とか言ってたよね)と

ツッコミを入れたいリョウ。


シュタイナーは、今日の朝の鍛錬は終ったので、

やりたければ、明日また来いと言って仕事に戻らせた。


めんどうなので、明日の朝錬は逃げようかと思うリョウである。




そして、朝食後、リョウ、エリック、レイナは辺境伯家の馬車で

冒険者ギルドまで送ってもらった。


ギルドに入ると、どうも様子がおかしい。


エリックは、受付嬢に尋ねる。

「チュリナ!何かあったのか?!」


「あ、ギルド長、すぐに救護室に行かれてください。

白銀の魂のヘンリーさんが大変なんです」

「なんだと!!」


白銀の魂とは、領主からの依頼、オーガがでた街道の近くの

森を調べてもらう件を受けてもらったBクラスパーティーである。

探索に特化したパーティーで、こうした異変では彼らが

最初に調べて得た情報で、対策をたてるのがこのギルドの

パターンであった。


救護室に飛び込むと、ベッドの上で男が苦しみもがいていた。

手足をベッドに縛り付けられていたが、ベッドが壊れそうな

ぐらい暴れているのでさらに職員が2人、押さえつけている。


そして、もう1人の職員がヒールをかけているが、あまり

効果はでてないようだ。よく見ると、その職員は昨日、

アンナを叱った女性であった。


「ヘンリー、何があった?!」

エリックが叫ぶが、彼は苦しむばかりで答えることが出来ない。


ヘンリーの顔や手足の露出した部分には黒い斑点のような

ものが浮き出ていた。たぶん、全身にでているのだろう。


エリックはそれを見て言う。

「呪いか!!いったい何にやられたんだ?!

ステラ!今、わかっていることを教えてくれ」


「西門の近くに倒れていたそうで、運び込まれたときから

この状態なので、何もわかっていません。

今、司教様を呼びにやってますが・・・

すみません、私では呪いの進行を遅くするぐらいしか」

ヒールをかけていた女性、ステラが答える。


「ステラさん、交代しましょう」

「「「「  え ???  」」」」

リョウの言葉にレイナ以外の全員が驚く。


「大丈夫、まかせてください」

そう言って、ステラと入れ替わり、両手を合わせ魔力を

集中させると、両手の間から光が漏れてきた。


そして両手をヘンリーに向け、唱える。

聖解呪セイクリッドディスカース


両手から放たれた光がヘンリーを包み込み、10数秒後

光が消えたときには、黒い斑点は消えていた。


職員全員が驚愕する。


「なるほど、魔力がすごいのは察していたが

聖属性の使い手だったとはね」

エリックが言う。


「こんなすごい解呪、協会にいたころでも見たことが

ありませんわ」

ステラは、シスター出身のようだ。


「怪我をしていますので、そちらも治します」

そう言って、リョウはヒールをかける。

サーチしたところ、肺や胃のダメージが大きかったのだ。


「う、う・・・ん」

ヘンリーがうめいて、薄く目を開ける。


「ヘンリー!気がついたか。いったい何があった?」

エリックが聞く。


「エリックさん・・・ここは?」

「ギルドの救護室だ。お前は西門で倒れていたところを

助けられたんだ。森で何があった?」


「あ!あ・あ・・・」

ヘンリーの目が見開かれる、そして言った。

「ド、ドラゴン・・・骸骨竜スケリトルドラゴンだ!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ