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313 ジュリアさん、ご機嫌ナナメ

受付に向かうリョウたち。


その途中にいた20代後半ぐらいの歳に見える冒険者が

リョウの足をひっかけようと左足を出してきた。

お約束のいやがらせである。


もちろん、そんなものにひっかかるリョウではない。

ひょいっと軽くジャンプして・・・


げしっ

「ぐはぁ!」

ぴょん


「え?!」

何もないところでジャンプしたマヌケな恰好のまま振り返るリョウ。


そこには、男が出そうとした足を蹴ったジュリアがいた。


「てめえ!何しやがる!!」

ジュリアに殴り掛かる男だが・・・


がしゅっ

「がはぁ!!」


ジュリアは男のパンチをのけぞるように避けながら左足で軽く

ジャンプし右足の裏、主にかかとで男の顔面を蹴る。


シングルドロップキック、ド〇ュー・マッ〇ンタ〇アなら

ク〇イ〇アと呼ばれる技だ。


「チンピラがぁ!いらんちょっかいをかけてくるな~!!」

鼻血を出してダウンしている男に吐き捨てるジュリア。

そして、男の後ろにいた仲間らしい2人の男をにらみつけた。


ビクッと身震いする2人の男たち。

何か言おうとしたが、ジュリアの迫力に押されて唇をヒクヒクさせる

だけで、言葉がでない。


「あ、あの~~、ジュリアさん?!」

おそるおそる話しかけるリョウ。

普段は呼び捨てのジュリアに、おもわず『さん』付けしてしまう。


どうも、今日のジュリアは機嫌が悪いようだ。


ジュリアは、ゆっくりとリョウの方を振り向いて、

「ああ、リョウ。ギルド本部のくせに程度が低い奴がいるな」

わざと周りに聞こえるように言う。


「どこにでもクズはいるから、しょうがないね」

ジュリアにだけ反感がいかないように、リョウもわざとあおる。


「そんなのを相手にしてないで、行くよ」

「ああ」

そして、また受付に向かう2人。


「すみませぇ~ん!これをギルドマスターに渡して下さぁ~い!」

殺気だつ雰囲気の中、わざと間延びしてとぼけた感じで受付嬢に

話しかけるリョウ。


「はい・・・えっ!これは?!」

推薦状を受け取った受付嬢、封蝋ふうろうを見て驚き、

「す、すぐに渡して参ります。少々、お待ちを」

急いでギルドマスターの部屋がある2階への階段を上って行く。


リョウが受付嬢を見送って振り向くとジュリアがこっちに背を

向け腕組みして、周りを威嚇いかくしていた。


ホールの中は冒険者たちからの殺気でビンビンである。

エドガーはと見ると、面白そうにニヤニヤ笑いながらスルメを

つまみ、エールを飲んでいる。


(う~~ん、どうするかな?!)

考えるリョウ。

(殺気をぶつけ返して、ビビらせるか?!それとも、

何人かを修練場に誘って叩きのめして実力を見せるか?!)


そのとき、リョウは目の前にある物の状態に気が付いた。


(これをこうしてああしてこうなって・・・と。

うん、いけそうだねv)


心の中の語尾にVサインをつけながら、リョウは近くにいた

ギルド職員に話しかけるのだった。

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