表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
307/520

305 黒

1~2週間、更新をお休みします。

再開したら、またよろしくです。

「けんじゃ様っ、おいしいねっ」

カップリンアラモードを食べている少女が、リョウに満面の笑みで

話しかけてきた。

名前はメリッサ、さっきリョウに抱きついた少女だ。


今は皆でテーブルについてカップリンを食べているのだが、

彼女はリョウから離れようとせず、リョウの膝の上に座っている。


メリッサには、魔力視のスキルがあるらしい。

子供なのでまだ上手くスキルを使えないようだが、リョウや

マーティアぐらいの大きい魔力なら見えるようだ。


リョウから漏れだす聖属性の魔力は、わずかながら癒しの効果が

あるので、それに包まれるのが気持ちいいらしくリョウに

くっついている。

リョウが来る前にマーティアに抱きついていたのも同じ理由だ。


「この子によると、私は光って見えるらしいですよ」

とマーティア。


「そうなんですか。じゃ、私も光ってるのかな?!」

リョウはメリッサの頭を撫でながら聞いてみた。


「お兄ちゃんはね~、もやっとしてる」

「もやっと??」

意味がわからないリョウ。


周りの者たちも頭の上に『?』マークを浮かべている。


「んっと、ふよふよしてる」

皆がわからない顔をしているので言い換えたメリッサだが、

なおさらわからない。


「ふよふよ??」

「綿みたいなのがふよふよ」

「綿??」

「だから好き!」

そう言ってまたリョウに抱きつき、スリスリするメリッサ。

彼女にとっては、柔らかなものに包まれているような感覚が

あるのだろう。


よくわからないが『好き』というのなら問題ないかと、またメリッサの

頭を撫でるリョウ。


「のう、わしは?! わしはどうなのじゃ?」

リョウの横に座ってカップリンを食べていたブレンダがメリッサに聞く。

彼女はさっきカップリンを食べたが、仲間外れはかわいそうだと

思ったリョウがもう1つあげたのだ。


ブレンダには属性は違うが、リョウやマーティアと同じぐらいの魔力がある。

なのでメリッサには見えるはずだと思って聞いたのだが・・・。


メリッサはブレンダをちらっと見て、

「お姉ちゃん、黒いから嫌~い」

と言って、ぷいっと横を向いた。


「は?!!」

意味がわからずに呆けるブレンダ。


「黒いのか・・・、うぷっ、ぷぷぷぷぷ・・・」

リョウ、笑いをこらえきれなくて噴き出してしまった。


「んっ?!何じゃリョウ?言いたいことでもあるのか?!」

ブレンダ、リョウをギロッとにらむ。


「い、いや黒っていい色だよね~。私の目や髪の色も黒だし・・・」

フォローしようとしたリョウだが、


「「「「「 は?! 」」」」」

全員の目が点になる。


「え?!」

わけがわからなかったリョウだが、


「何を言っとるんじゃ?!お主の瞳の色はこれじゃろう?!」

ブレンダ、そう言いながら胸元からリョウに買ってもらった

ペンダントを引っ張り出し見せる。


彼女の手元では、青いサファイアが揺れていた。


「あ~~~っ!!」

自分のドジに気が付いた。


「髪だって銀色じゃぞ。どうしたのじゃ?」

リョウの髪の毛を触りながら言うブレンダ。


皆の視線の中、どうやってごまかそうかと思うリョウであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ