288 プリンアラモード大盛り
ジュリアと合流して教会に戻ってきたリョウ。
現在、プリンアラモードの制作中である。
ちなみにオリビアの色仕掛けだが、身体をすり寄せてくるオリビアに
リョウは『はいはい』と言いながら頭を撫でただけであった。
どうやらリョウにとってオリビアは妹ポジションのようである。
まあ、ノーレッジ領への協力を約束してもらっただけでも
オリビアにとっては十分なのであるが、ひきかえに女としての
プライドが傷ついてしまった。
じ~~~~~~っ (×10)
そして、リョウが作っているプリンアラモードに注がれる視線。
料理当番のシスターたちのものである。
昨日のフルーツパフェもおいしそうだったが、添えものだった
プリンが今度は大きくなって主役になり、砂糖を焦がした
甘い香りのカラメルソースというものまでかかっているのである。
食べたいに決まっている。
だが、10人分の材料の余裕なぞない。
リョウもそんなに作るのはまっぴらだし時間もない。
というわけで放置・・・
じ~~~~~~っ (×10)
「・・・」
じじ~~~~~~っ (×10)
「・・・・・・」
じじじ~~~~~~っ (×10)
「え~~~い!わかりましたよ!!」
出来なかった。
ただでさえ女性に甘いリョウには無理であった。
しかし、プリンの余分は2個しかない・・・。
そこでリョウは・・・。
「これだけしかないので、あとは皆さんで取り分けてください」
そこにはプリンの周りに果物や生クリーム、クッキーなどが
飾り付けられた大皿が2つ置かれていた。
プリンはもうどうしようもないので、他の物で補ったのだ。
いわば、プリンアラモード大盛りである。
大喜びのシスターたち。
「じゃ、私はこれで」
ブレンダたちのプリンアラモードを持って厨房から出て行くリョウ。
そして、残されたシスターたちの争奪戦が始まったのであった。
その頃、学園の食堂では。
「トンカツうま~!コロッケうま~!」
「なんだこのドレッシングは?!」
「ただキャベツを細く切ったものがこんなにおいしいなんて?!」
「コロッケやトンカツと交互にキャベツを食べるとさっぱりして
いくらでも食べられそうだ」
と大絶賛であった。
ちなみにマヨネーズにしないでドレッシングにしたのは、
作り方をまねられて食中毒をおこされるとまずいからだ。
リョウなら聖魔法で殺菌できるが料理人に聖魔法の使い手は
ほとんどいない。
この世界にサルモネラ菌とかがいるかどうか知らないが
こんなことで危険を冒す必要はない。
そして数日後、食堂のメニューにトンカツ・コロッケキャベツ添えが
追加され大人気となるのであった。




