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277 リョウの予定

「リョウ様の今後の予定はどうなっているのですか?」

全員がフルーツパフェをほぼ食べ終わった頃、マーティアが言う。


「明日はウィッツレーベン公爵家のユディット様と会うことに

なっています。あとはアレン様の様子をあと1~2回見たら

王都を出る予定ですね」

ユディットには教会から使いの者をだしてもらったところ、

明日の午後のお茶の時間にということになった。


「は?!王都を出る?!!どういうことじゃ?」

ブレンダ、2人の会話の意味がわからない。

「リョウは聖女殿に仕えているのではないのか?」


「あ、そういえばそのへんのことは話してなかったか・・・」

リョウとしては、女子会のときにでも話していたかと思っていた。


そこでリョウは、ガリア辺境伯の姉を助けその縁で相談役を

していたこと、辺境伯の紹介でBクラス冒険者になったこと、

アレンを助けるために呼び出され聖女と契約したこと、

救済の旅はもともとマーティアが計画していたところ、リョウに

ドミニク商会や歌姫パトリシアの依頼があったので、この機会にと

実行されたことなどを説明する。


「というわけで聖女様との契約が満了するので、とりあえず

ガリアに戻らないといけないんです」

リョウとしては、まずウイスキー工場がどうなったのか知りたい。


もともと心配ではあったが、ガラントがヴェストン村から

アイオロス親方とその弟子たちを引き連れて行ったという話を聞いて、

何かやらかしているような気がしてならない。


「では、わしもそのガリアとやらに行くのか?」

「それなんですが・・・」

言いづらそうなリョウ。


「ブレンダ様には学園に入ってもらおうかな・・・と」

「学園?!」

「マーティア様と話したのですが、ブレンダ様の一番の目的は、

シルフィード国との友好を深めることです。

ならば、同じ年頃の貴族の子女たちが通う学園に入ることが

一番ではないかと・・・」


マーティア、横でうなずいている。


「じゃが、リョウがわしの世話をするという、バルじいとの約束は

どうなるのじゃ?」


「え?!」

ちょっと驚くリョウ。

「そんな約束はしてませんよ」


「何じゃと!お主、約束をたがえるのか?!!」

テーブルに両手をついて乗り出すブレンダ。


「いえ、私がバルディガル様とした約束は、『ブレンダ様が魔国に

帰るときに責任を持って送り届けること』ですよ。

もちろん、世話もしますけど、そっちは聖女様がやってくれますし。

第一、私ではこの国との友好の手伝いは出来ませんよ」

リョウは王母や王女、公女という繋がりがあるが、政治的には深く

関わりたくないのでそのへんはパスである。


「もちろん、私に付いて行くという選択肢もありますが、ブレンダ様が

学園に行ってもときどき会いに戻ってきますし、魔国に帰るときには

当然、お供します」


「う~~~~・・・」

納得いかない顔のブレンダ。


「ブレンダ様」

マーティアが声をかける。

「あくまでも選択肢があるということなので落ち着いて考えられて

ください。ただ、ご自分の王女という立場をふまえて一番いい選択を

してくださることを期待いたします」


「私が出発するまで数日ありますので、よく考えてくださいね」

リョウ個人としては、ブレンダのことは好きだし(妹分としてだが)、

能力的にも申し分ないし、多少わがままだが王女なのである程度は

仕方がないと思っている。

しかし、王女であるからこそその役目を考えると学園に入ったほうが

いいと判断したのだ。


「わかった、考えておくのじゃ・・・」

そう言って席を立つブレンダ。

そして、ドアノブに手をかけて・・・振り向いた。


「リョウ!その代わり、明日の夕食のデザートはプリンアラモンなのじゃ!」


(結局、それか~~い!)

心の中で思いっきりツッコむリョウであった。

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