表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
277/520

275 プリン添え

「ほいっ!追加の焼き餃子と小籠包ですよ~」

リョウが餃子の入ったスキレットと小籠包ショウロンポウの入った蒸籠せいろ

テーブルに置く。


その瞬間、待ってましたとばかりにグレイシアがスキレットを

ブレンダが蒸籠せいろを掴んで自分の方に引き寄せた・・・が、


「もうおかわりはありませんので、仲良く分けて食べてくださいね。

自分勝手な悪いは、今日の特製デザートはナシですよ」


「「  !!!  」」


続けて言ったリョウの言葉に、2人の動きが止まる。

そして、それぞれ1つだけ取って、そっとスキレットと蒸籠せいろ

テーブルの中央に戻した。


『よろしい』とでもいうような目で2人を見たリョウは、

デザートのフルーツパフェを作りに調理室に戻った。




調理台にパキート・パスクアル作の器を並べるリョウ。


シスターたち、器の美しさとともに、それにどんな料理が盛られるのか

ワクワクである、が・・・


「すみませんが、今から作るものは試食とか余りとかありませんので」


というリョウの言葉にガッカリする。

ワクワクからのガッカリなのでダメージ2倍、某TV番組なら

スーパーひ〇し君人形がボッ〇ュートになったようなものである。


シスターたちのすがるような視線が痛いがあえて無視するリョウ。

マーティアたちの食事が終わるまでに6人分を作るだけでも大変なのだ。


まずは氷水に浸しておいた果物を取り出す。


リョウは、フルーツパフェの部分的に生ぬるい果物が嫌いであった。

バナナなどは、保存のためならば常温のほうがいいが、パフェとして

食べる場合は他の冷たい部分との対比で生ぬるさが強調されて

おいしくないのだ。


果物をスライスしたり棒状に切ったり、丸くくり抜いたりしていくリョウ。


それらを器の上に、草花や蝶などをモチーフにして、盛り付けていく。

さらに、口直しのビスケットや生クリームやジャムを添える。

技芸神の加護のおかげで見事な出来である。

たぶん、リョウの持っている加護の中で一番役にたっているだろう。


周りで見ているシスターたち、その美しさにうっとりであるが

自分たちの口には入らないことがわかっているので、ガッカリランクが

もう1つ上がっただけだった。


しかもリョウは最後のトドメとばかりに、小さ目のプリンを乗せ

その上にも生クリームを乗せる。

容器が平たいので、プリンを乗せた方がいいと思ったのだ。


リョウ以外は知らないものなので、

『フルーツパフェじゃなくてプリンアラモードじゃん!!』

なんてツッコミは、入らない。


小さ目のプリンなので主役ではない。

だからこれはプリンにフルーツなどが添えられたプリンアラモードでは

なくて、フルーツパフェにプリンが添えられたものだということに

するリョウである。


完成したプリン添えフルーツパフェ。

SNSに載せたらバズること間違いなしである。

ここは日本ではないのが、残念であった。


そしてリョウはシスターたちの物欲しそうな視線を背中に受けながら

完成したフルーツパフェをカートに乗せて調理室を出て行くのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ