表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
273/520

271 出汁とり

市場で他にもいろいろ買って、教会に戻ってきたリョウとブレンダ。


厨房の使用許可を貰い、ジュリアに手伝いを頼む。

ブレンダは見物である。


リョウたちが厨房に入ると、調理係のシスターたちが期待に

満ちた目で迎え、

「リョウ様!お手伝いは、いりませんか?!」

と、手伝いを申し出てきた。

目的はもちろん新作料理の味見とおすそ分けである。


「えっと・・・皆さんには晩御飯の用意があるんじゃ?!」

教会の職員たちの晩御飯に差し支えてはまずいと思って

そう言ったリョウだが、


「いえ、今日は非番なので大丈夫です!!」

「へっ?!」

力強く答えられて、思わず変な声がでてしまったリョウ。


シスターの数が多いような気がしていたが、ご褒美ほうび目的に

当番でないシスターがリョウの手伝いに来ていたようだ。


この世界、食いしんぼばっかである。


どうせ多めに作る予定だったし、材料も十分に買ってあるので

ありがたく申し出を受けるリョウ。


まずは、一番時間のかかりそうなものから取り掛かる。

それは、水餃子のスープの出汁だしである。


現代日本では、出汁の素やコンソメの素などで手を抜いても

充分においしいものができるが、ここにそんなものはない。


そして問題は何で出汁をとるかであるが、今日見つけたばかりの

ものがあった。

そう、スルメである。


スルメには、うまみ成分がたっぷりなので、いい出汁がでるそうだ。

某料理漫画でもでてきたらしい。


というわけで、スルメを取り出してシスターたちに見せたのだが

思いっきり引かれた。


「ほうれ、じゃから言ったじゃろ?!」

少し離れて見ていたブレンダが勝ち誇る。


そこまで嫌がられるとは思わなかったリョウ。

ジュリアはわりと平気なようだし、乾物屋のおやじも普通に

扱っていたので、個人差があるのかもしれない。

どっちにしても、スルメの出汁とりはリョウとジュリアでやるしかない。


手伝いのシスターたちには、中に入れる具の用意をしてもらう

ことにした。


スルメの足を1本ずつにバラして、胴の部分は横に細切りにしていく。

スルメの胴はそのままでは固いので、包丁ではなくハサミを

使って細切りにする。


そして、水に20分ほどひたした後、ネギやショウガなどを加え

火にかける。

周りから『本当にそれを食べるのか?!』と怪しい目で見られながら、

鍋をかき回すリョウ。

気分は、怪しい薬を鍋で煮ている悪い魔法使いである。


2~30分ほど煮て、味をみる。

もっと時間をかけたほうがいいのだろうが今回はこれで妥協する。

なかなかいい出汁がでていた。

リョウは、この出汁で大根を煮たり、炊き込みご飯を作りたく

なったが当然今は無理である。


出汁を作っている間にシスターたちの具材の用意も出来ていた。


さて、いよいよ手作り餃子の一番のポイント、皮作りである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ