264 深浦家にて3 後編
しばらく投稿をお休みします。
再開したら、またよろしくお願いします。
「中学生?!」
「犯罪じゃないの?!これ!!」
真理子と恵が非難する。
スマホの画面に映っていたのはエレールであった。
無表情で正面からのWピースをキメている。
「エレールさん、22歳、軍で斥候や情報収集をやってるッス」
「「 22歳?!!!! 」」
またもや2人の叫びがハモる。
「リョウさんが付き合ってる中では一番年上ッスね。
とてもそうは見えないッスけど・・・」
ナミカ、自分で言いながら苦笑いである。
「年齢詐称とかは?」
なおも真理子が疑うが。
「軍人でそれはありえないッスね」
否定するナミカ。
「それにしても、お兄ちゃんと付き合ってる人たち、キャラが
濃すぎるでしょ!!」
あきれたように言う恵。
「それなら、この人なんかどうッスか?!」
そう言ってまたスマホを操作するナミカ。
「あらっ!」
「いいじゃん!」
画面には、こちらに向かって微笑むジュリアが映っていた。
スマホの画面を見る2人は、好印象を持ったようだ。
「ジュリアさん、20歳、リョウさんのアシスタント役ッス」
充分に美人の部類に入るジュリアだが、今までの者たちの
インパクトが強すぎて、真理子と恵にはさらによく見えていた。
「この人のサポートで、リョウさんいろいろと助かってるッスよ。
内助の功ッスね」
「あらあら、竜馬がお世話になってます」
嬉しそうにスマホの画面に礼を言う真理子。
「この人なら、お姉ちゃんって呼んでもいいかな?!」
恵も気に入ったようだ。
当人の知らないところでジュリアがポイントを稼ぐ結果となった。
「意外だけど、お兄ちゃんあっちではモテるんだ・・・?!
でも、これって『痴情のもつれ』ってやつで、お兄ちゃん
刺されるパターンじゃ?!」
恵は、リョウのモテっぷりに心配になったようだ。
「あ、その国は一夫多妻が認めらてれるし、この娘たちも
そのへんはわかってるッスよ」
「うへ~、ハーレムじゃん!・・・って、あれ?!」
恵、気が付いた。
「お兄ちゃん、結婚して帰化しちゃうなんてことが・・・?!」
「そのへんは、リョウさん次第ッスね。
予定ではリョウさん、1~2年で日本に帰るはずなんスが・・・」
「お兄ちゃん、この人たちを置いて帰ってこれるのかな・・・?!」
恵、不安そうである。
「あら!いい男!!」
恵とナミカが話してる横で、スマホを操作していた真理子が
能天気な声を上げる。
恵とナミカがスマホを覗き込むとリョウが映っていた。
どう見ても白人なので、真理子と恵にはリョウだとわかるはずがない。
「わぁ~、ほんとにイケメン!プラチナブロンドってやつ?!
中川さん、この人誰??」
「えっ?!そ、その人はッスね・・・」
本当のことが言えるはずもなく、口ごもるナミカ。
「あらあら、そんなの決まってるじゃない」
真理子、『言わなくてもわかってますよ』という雰囲気だ。
「え?!あ!もしかして・・・?!!」
真理子が言ったことを聞いて、恵はピンときたようだ。
「中川さんの恋人?!!」
「え?!・・・あ・・・い、いやあ、そうなんスよ」
ナミカ、恵の話に乗っかる。
「歳いくつ?名前は?仕事は何?」
恵、食いつきがすごい。
「と、歳は24、名前は・・・タイガというッス」
いい偽名が思いつかなかったので神使のほうの名前を言うナミカ。
「へぇ~、お兄ちゃんと同じ歳かぁ~」
「そう言えばちょっと竜馬に似てるわね」
「やだぁ~、お母さん、タイガさんに失礼じゃない」
などと言ってるが、失礼なのは恵である。
「あはははは・・・」
笑ってごまかすナミカであった。




