263 深浦家にて3 中編
「あ、言い間違えたッス」
頭を傾げ自分の額を手で軽く“ペンッ”と叩くナミカ。
真理子と恵の2人は、何が間違いなのかもわからない。
「リョウさんの命は大事にしますので、このことは秘密に
してほしいッス」
「「意味が全然違うわ!」」
思いっきりツッコむ2人。
「リョウさん、有能なのでうちの上司も気に入ってるッスよ。
孫娘と結婚しないかと言ってるぐらいッス」
上司=ライゼン、孫娘=マーティアのことである。
「まあ!」
驚く真理子。
「へぇ~、彼女いない歴=年齢のお兄ちゃんがねぇ~・・・」
と恵が言うが。
「あ、リョウさん、恋人いるッスよ。しかも1人じゃないッス」
「「 えええ~~~~~っ!!!!! 」」
さっき以上に驚く2人だが、
「嘘だぁ~~~~!!!」
恵、リョウに対してとても失礼であった。
「嘘じゃないッスよ。今日も、そのうちの1人とデートしてる
はずッス。え~っと・・・」
ナミカは普通のスマホに偽装した鏡スマホを取り出し操作する。
「この娘ッスよ」
ナミカの差し出したスマホを受け取る恵。
「ぶっ!!」
画面を見るなり噴き出した。
「何?!このおっぱい?!外人とはいえデカすぎるでしょ!!」
スマホには、片目をつむって横ピースのポーズをしたブレンダが
映っていた。
「ブレンダさん、16歳。由緒ある名家のお嬢さんッス・・・」
「あたしより年下でこの巨乳?!」
「今のところは、恋人というより妹ポジションみたいッス。
恵さんの立場が危ういッスね」
わざといじわるを言うナミカ。
「そんなわけないじゃない!血が繋がっている実の妹のほうが
大事に決まってるでしょ!」
恵が反論するが、
「いや~、妹はどこまでいっても妹だけど、血が繋がってなければ
結婚までいけるッスからね~。しかも逆玉ッスよ。
それにリョウさん、巨乳好きのようッスから・・・」
追い打ちをかけるナミカ。
「ふんっ、確かにお兄ちゃん、大きいおっぱいが好きみたいだけど、
それよりも腹筋好きの変態なのよ!
『The〇ッツ!』とかプレイしてたんだから!!」
勝ち誇る恵だが、母親のいる前でそんなことをばらして
いいのだろうか?
「え?!あの子、そんな趣味があったの?!」
案の定、真理子が驚く。
「あ、そっちの担当はこの娘ッスね」
恵が持ったままのスマホを操作するナミカ。
「ぶっ!!」
恵、また噴き出した。
「何?!これ!アマゾネスじゃない!!」
スマホの画面には、ボディービルダーのようなポーズをとった
グレイシアが映っていた。
「まあ、狩猟部族出身だそうッスから、そんなに間違ってはいないッスね。
グレイシアさん、21歳ッス。初めて会ったとき、リョウさん『腹筋を
触らせてくれ』と言ったらしいッスよ」
「ダメでしょ?!それ!」
兄のあまりのダメっぷりに叫ぶ恵。
「今はラブラブみたいだから、無問題ッス」
「いいんかい?!」
恵のツッコミが止まらない。
「恋人は1人じゃないと言いましたけど、他にもいるんですか?」
横から真理子が聞く。
「いるッスよ。この子もそうッスね」
スマホを操作するナミカ。
その画面を見た2人。
「「ダメだろ?!!これ!!」」
今日、何度目かもわからないツッコミが入るのであった。




