表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
260/520

258 最後通牒

「なるほど。では、痛い目にあってもらうということでよろしいか?!」

リョウの最後通牒さいごつうちょうである。


「ハ~~~ッハッハ・・・」

またもや大笑いするクライス。

「この至近距離で詠唱する暇なんか与えると思うのか?!」


「試してみたらどうかな?!」

挑発するリョウ。


「ふん・・・ほれっ」

リョウのギルドカードを投げてよこすクライス。


それをリョウは左手でキャッチする。

その瞬間、クライスはニヤッと笑い、腰に下げていた細剣レイピア

右手で抜いた。


キンッ


だが、クライスが細剣レイピアを抜ききる前に金属音がした。

そして彼は根本から先の部分がなくなった剣を振りぬいたポーズで

固まっていた。


リョウが脇差の抜き打ちで、彼の細剣レイピアを斬ったのだ。


「なっ・・・」

クライス、何かを言おうとしたが、言葉がでてこない。


「じゃ、痛い目にあってください」

リョウはにっこりと笑みを浮かべながら言うと、脇差の握りを

半回転させ、クライスの右の二の腕を峰打ちにする。


ぼぐっ


鈍い音がして、クライスの腕の骨、橈骨とうこつ尺骨しゃっこつ

呼ばれる部分が両方折れた。


「ぐがががぁ~~~!!」

叫び声をあげて倒れ込み、地面をのたうつクライス。


「ぐほっ」

「がはっ」

それとほぼ同時にリョウの後方から変な声が聞こえた。


ブレンダが残りの護衛2人を殴り倒したのだ。

さっき骨伝導でこの2人の処理を頼んでおいたのだ。


「ね、痛い目にあうって言ったでしょ」

脇差を鞘に納めながら言うリョウ。


「きっ、貴様、魔導士ではないのか?!!」

左手で右腕を抑えながら言うクライス。


「魔導士は剣を使ってはいけないなんて決まり、ありましたっけ?!」

と言うリョウに、


「殴ってはいけないなんて決まりもないしのう」

ブレンダがかぶせてくる。


「接近戦をしないなんて、この国の魔導士は甘やかされてるんですね。

しかも剣士のほうもこの程度だし・・・」

さらにあおるリョウ。


(気を使ってこっちから店を出てやったのに、わざわざ追いかけてきて

デートの邪魔をしやがって)

ということで、リョウはまだイラついていた。


クライスは脂汗を流しながら痛みとくやしさに、歯を食いしばっている。


「まあ、『身の程を知れ』ということじゃよ、坊や」

どう見ても自分のほうが若いが、わざと坊や呼びをしてからかう

ブレンダ。彼女もご立腹であった。


「じゃあ、もうお互いに会わないようにしましょうね」

一旦、立ち去ろうとしたリョウであるが、

「んっと、この後追いかけてこられても面倒なので、足のほうも折って

おくかな?!」

立ち止まって振り返る。


「ひっ!」

結果的にフェイントをかけられた形になり、ビクッとするクライス。


ガチャッ


そのとき店のドアを開けてメイドがでてきた。


「お待ちください」

メイドに続いて出てきた女性がリョウに声をかけるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ