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26 冒険者ギルド

リョウは、朝食後、執事のアルフレッドに裏庭を

案内してもらい、作業小屋を建てる場所と小屋の

仕様を打ち合わせした。


小屋が出来るのに5日ほどかかるということなので

その間に、領内の産物や技術レベルの調査、

必要な機材の調達などをやる予定だ。


そして、紹介状を受け取り、レイナと一緒に街に出て、

現在、冒険者ギルドの前にいる。


お約束満載の冒険者ギルド登録である。

リョウは、オタク心がワクワクするのを止められない。


酔った冒険者にからまれるのだろうか、足をひっかけられるの

だろうか、受付のお姉さんのおっぱいは大きいだろうか、

いろいろと期待でいっぱいである。


ワクワクしながらドアを開け、中に入る。


「だから、何で俺がEクラスなんだ?!」


すでに、何か始まっていた。


受付を見ると、お供らしき2人を連れた20代前半ぐらいの

男が叫んでいた。


そっちに注目がいってしまって、リョウとレイナを

誰も見ていない。お約束パターンを崩されちょっと

がっかりしながら、騒いでる男の受付の隣の受付に行く。


「すみません、冒険者登録をお願いします」

「はい、新規登録ですね。この用紙に記入をお願いします」

受付のお姉さんは、相当な巨乳だったので

すっかり機嫌が直るリョウである。


「だからDランクで登録しろと」

「ですから、本来ならFのところをEで登録しますので。

それ以上をご希望ならランク認定試験を受けて合格なさってください」

「このハリー・ワイネールがなぜそんなものを受けねばならん。

男爵家に逆らうというのか」


隣の会話からすると、男爵家のわがまま息子のようだ。

お約束を崩された恨みもあるし、役立ってもらおうと

リョウはハリーに話しかける。


「いい歳をして駄々をこねるのはみっともないですよ」

「何!!!」

「素直にEクラスで登録すればいいじゃないですか」

「そんな軟弱な剣を使っているような奴に言われる

筋合いはない」


リョウが左腰にいているサブ武器のショートソードを見て

ハリーが言うが、無視して自分の受付のお姉さんに言う。


「あ、私は控えめに・・・Cクラスで登録してください」


ズリッ!!!!!


受付の様子を見ていた冒険者たちが全員コケた。

それを見て、ネタふりからのオチに満足するリョウ。


「えっと、リョウさん、冗談はダメですよ」

登録用紙の名前を見ながら受付嬢が言う。


「冗談じゃないですよ。はい、紹介状です」

「え・・・この封蝋ふうろうの紋章は・・・辺境伯様!!」

「よろしくお願いします」

「ギルマスに届けて参りますので、少しお待ちを」

2階への階段を駆け上がっていく受付嬢。


ハリーは、リョウにさらに何か言おうとしていたが、

辺境伯の関係者と知って、様子を見ることにしたようだ。


数分後、2階から老人がさっきの受付嬢を伴って下りてくる。

リョウとレイナを見ながら小声で「なるほど」と言った後、

リョウに向かって言う。


「昨日、そちらのお嬢さんがオーガを3体

納入してくれたんだが、倒したのは君だね?!」

まわりの冒険者たちから「オーガだと」「3体!」などと

小声で話す声がする。


「はい、高く買っていただけたそうで、ありがとう

ございます」

「いや~、状態がよかったからね。あんなにスッパリと

切られたオーガなんて初めて見たよ」

ハッハッハと笑いながら、ギルマスが右手を差し出す。


「ギルドマスターのエリック・フォートランだ。

エリックでかまわんよ」

リョウも右手を出し、握手する。

「リョウです。エリックさん、よろしくお願いします」


後で聞いたところによると、エリックは元Aクラスの

魔術師だったそうで、過去にあったゴジール共和国との

紛争にも活躍した有名人だということだ。

前辺境伯、つまりシュタイナーの父親の親友で、

シュタイナーを小さな頃から、かわいがっていたとのことだ。


「アンナ、リョウは、Bランクで登録しておいてくれ」

巨乳受付嬢は、アンナというらしい。

「え?!Cランクでいいんですが・・・」

リョウが言うと。


「君は剣もすごそうだが、魔法も相当いけるだろ。

それだけの魔力まであるなら、Cなんぞすぐ抜けてしまうから

手間を省いただけさ」

エリックは、リョウの魔力の高さを感知しているようである。


「代わりに、修練場でそこの彼に実力を見せてやってくれ」

そう言われて、リョウがハリーのほうを見ると、

明らかにビビっている。


そこで、リョウは言った。


「じゃ、3人まとめてお相手しましょう」

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