255 公爵家
「うひょ~。よいではないか!」
女店員の持ってきたアクセサリーを見て、ご満悦なブレンダ。
「目移りしてしまうの~・・・」
彼女の前には、5つのアクセサリーが並んでいた。
ペンダント、ブローチ、髪飾り、イヤリング、指輪である。
どれも、リョウの瞳の色であるコバルトブルーと同じような色の
ブルーサファイアがついていてアクセサリーとしての出来も
いいようだ。
この女店員、なかなか有能なようである。
「リョウは、どれがいいと思う?」
ブレンダが聞くが、正直リョウにはわからない。
はっきり言って、『アクセサリーなんて邪魔なだけじゃん』と
思っているリョウである。
大きなイヤリングをしている女性を見ると、頬にペチペチと
イヤリングが当たって気持ち悪くないのか?!と聞きたく
なるほどである。
ファンタジーでよくある、『体力強化の指輪』とか『すばやさ
上昇の腕輪』とかなら話は別だが、この世界でそんなものは
聞いたことがない。
ただし、『女性はおしゃれをしないと死ぬ生き物』だということは
わかっているので、相手が喜んでくれるなら、今回のように
プレゼントするのもやぶさかではない。
とりあえず並んでるアクセサリーを見るが・・・
わからないので女店員に助けを求める。
「すみません、よくわからないのでお願いします」
「ダメじゃ!リョウが選ぶのじゃ!!」
「え~~~~?!」
ブレンダは、リョウに選んでほしいようだ。
「う~~~ん・・・」
リョウは並べられたアクセサリーを見ていたが、ふとあるものを
思い出した。
「預かり物なんですが、これってどれぐらいの価値があるんでしょうか?」
そう言って、ユディットから預かった髪留めを女店員に見せる。
「これは・・・古い物ですね」
髪留めを手に取って見る女店員。
「アンティークとまではいきませんが、よいお品だと思います」
そう言いながら、髪留めを裏返して見る。
「 !!! 」
そこに刻印されている家紋を見て、びくっと身体を震わせた後、
固まる女店員。
「どうかしましたか?」
それを見て、リョウは声をかける。
「お、お客様、こ、これをどこで?」
あわてた様子の女店員。
「ウィッツレーベン公爵家のユディット様からお預かりしました」
「ん?!さっき行ってきたところか?」
とブレンダが言うが、
「そっちはリリエンタール公爵家だよ」
リョウが訂正する。
「へ?!」
いきなり公爵家の名前が2つもでてきて混乱する女店員。
しかも、『さっき行ってきた』とはどういうことだろうか。
とりあえず、ブルーサファイアのアクセサリーの値段を
せいいっぱい割引することに決める女店員であった。
昔、職場の引き出しに好きな銘柄のチョコレートを
入れていました。
そして、バレンタインデー当日、引き出しを開けると
バレンタインチョコとメモが入っていました。
「代わりに引き出しにあったチョコレート貰います」
いや、こんな義理チョコよりそのチョコのほうが
おいしいに決まってるだろ!!
とは言えるはずもなく、仕方なくその義理チョコを
食べる私でありました_| ̄|○




