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249 リリエンタール公爵家 その5

少しの間、更新をお休みします。

再開しましたら、またよろしくお願いします。

コンコンッ


リリエンタール公爵たちがいる部屋のドアがノックされる。


ノックに続いて、コリーヌが言う。

「アレン様の治療が済みました」


それを聞いて公爵夫妻がソファーから立ち上がった。


公爵家のメイドがドアを開けるとまずマーティアが入ってくる。

その後ろからアレンがちょろりんっと顔を覗かせた。

そして、公爵夫妻に小走りで駆け寄る。


「お父様!お母様!」

ぽんっと両足を揃えて公爵夫妻の前に立ち、満面の笑みを見せるアレン。


その様子を見れば、誰も治療の結果を聞く必要などなかった。


「アレン!」

ヴァレリ夫人がアレンを抱きしめる。


公爵は一瞬の差で出遅れたため、両手を前に少し出して構えた

変な形で停止していた。

そのまま抱き合う2人を少し見て微笑んだ後、マーティアに向き直る。


「聖女様、まことにありがとうございます」

右手を胸にあて頭を下げて礼を言う公爵。


「いえ、全てはタイガ様のおかげです」

マーティアも頭を下げながら言う。


公爵はタイガの前に移動して右手を出す。


タイガも右手を出して握手しながら骨伝導で言う。

(いえ、2人のサポートのおかげでもありますので・・・)

そしてアレッタの方を見る。


公爵は、アレッタの方を向いて、

「巫女様、ありがとうございました」

礼を言った。


「いやいや、よかったのう、公爵殿。わしも魔国からき・・・」

アレッタ、口をすべらせた。


「え?!魔こ・・・」

「わ~~~~~!!!!!!」

自分の手で公爵の口をふさぎ、『魔国』と言うのを邪魔するアレッタ。


ザッ!!


だが公爵にたいしてそういう行動をとれば危害を加えると

受け取られても仕方がない。

公爵家の護衛たちがアレッタを取り押さえようと行動を起こす。


そのとき、すすっとタイガが公爵・アレッタと護衛たちの間に

割り込んだ。

両手を広げ、護衛たちの前に立ちふさがるタイガ。


その隙にアレッタは公爵に耳打ちする。

(公爵殿、実はわしは魔国の王女ブレンダじゃ)


「え?!」

驚く公爵。


(いずれ正式にシルフィード王に挨拶する予定じゃが、とりあえず

今は内緒にしておいてくれ)


それを聞いて公爵が護衛たちに言う。

「お前たち!控えていろ!!」


公爵の命令を聞いて引き下がる護衛たち。

さっきタイガが壁の向こうにいた者を倒したことを見ていたため

正直なところ、戦わずにすんでほっとしていた。


とりあえず護衛たちを控えさせておいて、頭の中を整理する公爵。


(魔国といえば、魔法に長けた者が多いことで知られている。

彼女が王女ということは、こっちもかなり高位な魔族・・・)

改めてアレッタを、そしてタイガを見る公爵。


(そう考えれば、先ほどの部屋に隠れていた者たちを見抜き、

倒した能力も納得がいく。

まさか聖女様は、アレンのためにわざわざ・・・)

マーティアに視線を移す公爵。


相変わらず微笑みを浮かべているマーティア。


(そうか。そういうことか・・・)

公爵、何か納得したらしい。


「問題ない。巫女様が、ちょっとおたわむれになっただけだ」

そう言って、みんなを静める。


そしてアレッタことブレンダは、教会に戻った後、ちょっとだけ

叱られるのであった。

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