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247 リリエンタール公爵家 その3

改めて治療のために用意された部屋に移動したマーティアたち。


公爵たちは退室し、部屋には患者であるアレンと治療をするタイガ、

マーティア、アレッタそして連絡係としてコリーヌの合計5人が

残っている。


現在は、タイガが上半身裸になったアレンの身体に触って、

体内サーチで患部の特定をしているところである。


構図だけ見ると、ショタ系BL腐女子にはたまらないであろうが、

純然たる医学治療である。


部屋のそとの廊下のドアの前にはジュリアとグレイシアが立って

見張りをしている。


そして、廊下をはさんだ向かいの部屋では、公爵たちが待機していた。


「つまり何もわからんということか?!」

ソファーに座っている公爵。


その前に、4人の男が片膝をついている。


「気が付いたときには蹴られていましたので・・・」

その中の1人が申し訳なさそうに言う。


「私も覗き穴から見ていて、あの『神使』というのが近づいたと

思ったら、衝撃を受けて気を失っていました」

と別の男。


アレッタとタイガにやられた男たちである。


「お前たちは、どうなのだ?」

公爵が残りの2人に声をかける。

1人は戸棚に、もう1人は指摘はされなかったが天井裏に

潜んでいた者たちだ。


しかし、彼らも何もわからないと言うだけだった。


「もう、いいじゃありませんの」

そう言いながら女性が公爵の隣に座る。


公爵の妻、ヴァレリである。

ずっと一緒にいたが、夫をたてて控えていた。

「アレンのことが心配だったというのはわかりますが、約束を

たがえたのはあなたですよ。

かばってくれたトーマスに感謝なさい」


「あ、ああ、そうだな。トーマスありがとう」

公爵が執事長に礼を言う。


「いえ、執事として当然のことでございます」

決死の覚悟でやったトーマスであるが、あっさりと『許します』

と言われ正直微妙な気分である。


「それにしても、聖女殿に久しぶりに会ったがあんなに落ち着いて

自信に満ちた方だったか?」

公爵も忙しい身なので、マーティアとは1年以上会っていなかった。


「今日の聖女様は、2週間ほど前に来ていただいたときとは、

雰囲気がまるで違っていましたねぇ・・・」

ヴァレリが言う。


「何?!たった2週間前と!!」

公爵が驚く。


「お優しい部分はお変わりありませんが、気弱な感じがなくなって、

自信に満ちた雰囲気になられました。

先日まで行かれていた『救済の旅』で何か得るものがあったのか、

あの神使様という方の影響なのか、それとも他の何かなのか・・・」


「ふむ・・・その『救済の旅』の情報を集めておくか・・・」


などと公爵たちが話している間に治療の準備が出来たタイガたち。

タイガは骨伝導でマーティアとアレッタに手順を指示していた。


「では、まずはわしからじゃな・・・」

闇巫女アレッタが言う。


そして、公爵家嫡男アレンの治療が始まったのであった。

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