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243 続・神界にて

「マーティアも聖魔法が上達したようじゃの」

ライゼンがマーティアに話しかける。


「リョウ様のご指導のおかげです」

マーティアがリョウに向かって頭を下げながら言う。


「いえ、マーティア様の努力のたまものです」

軽く頭を下げながら言うリョウ。


「うんうん、2人ともよくがんばったの。

それで、あの子の治療は出来そうかの?」

眼を細めながらライゼンが言う。

孫を見るおばあちゃんの目である。


「はい、上達したとはいえ、まだまだリョウ様には及びませんので、

私はサポートにまわります」


『あの子』とは、リリエンタール公爵家長男のアレンのことである。

先天的な心臓の障害のため、マーティアが症状を軽減させてきたが

完治は無理であった。


そのことに心を痛めていたマーティアにライゼンがリョウを紹介して、

リョウは王都に呼び出されたのである。

(99、100話参照)


「手伝ってもらえる者が1人増えて、マーティア様の負担が

少なくなったので、だいぶ余裕が出来ました」

リョウも自信があるようだ。


「そうかそうか。では、それが終わればマーティアとの契約は終了

じゃの。その後はどうするつもりじゃ?」

ライゼンがリョウに聞くが、


「 え?!!! 」

答えたのはマーティアであった。

「リョウ様!どこかに行かれるのですか?!」


「いや、そりゃ契約が終わったら他所よそに行くだろ?!」

空気を読まないグラダインがあっさり言う。

「それとも、リョウと結婚でもして添い遂げるのか?」


「え?!けっ・・・こん・・・」

頬を赤く染めるマーティア。


「ぶっ!!」

そして、思わぬグラダインの台詞にリョウも噴き出す。


「ふむ、わしが目をかけてる2人が結婚するというなら、

反対する理由もないのう」

とライゼン。


「ダメっすよ!!」

ナミカが冷静に言う。

「それじゃあ、シルフィード王国しか発展しなくなるッス。

何のためにリョウさんをこの世界に呼んだかわからなくなるッスよ。

第一、リョウさん、ニホンに帰らなくていいッスか?」


反対する理由、大ありであった。


「すみません、私もまだ、この世界に骨をうずめる覚悟は

してませんので・・・」

リョウもやんわりと断る。


(この世界?!『この国』でも『この大陸』でもなくて・・・?)

マーティアは2人の言ったことに違和感を感じたが、

口には出さない。


「まあ、魔国に行くことは確定なんだし、ついでにいろいろな国を

回ったらいいわよ」

カナーリオがフォローする。


「そうじゃな、それにリョウは働きづめじゃから休暇をとるのも

いいじゃろ。変装したマーティアとデートとかどうじゃ?!」

まだしつこく2人をくっつけようとするライゼン。


「ライゼン様!」

当然、ナミカに叱られる。


「そうそう、実は大陸の南の奥地に戦闘部族がいてな、・・・」

そこにグラダインの無茶振りが追加される。


こんなふうに今回の神界は、ちょっとグダグダで終わるのであった。

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