236 コンサート in カフェ その1
うん、まだ最初のほうですが、新〇ク〇大戦、
悪いほうの予想どおりでした。_| ̄|○
2年後とかに完全版とかがでると予想w
女性客の1人がステージに向かうリョウを見て言う。
「あ、あのお方は?!!」
「ご存じでいらっしゃるの?!ライデン子爵夫人!」
同席していた女性が聞いた。
「ほら、あの歌姫パトリシアの・・・」
「まあ!あのときのコンサートで・・・」
どうやら、パトリシアのコンサートでリョウが演奏したときの観客が
いたようだ。
リョウの顔を覚えていないとしても、持っている『青山』は
見間違えようがない。
他にも「演劇場で・・・」とか「カフェのサンドイッチが・・・」などという
話し声が聞こえる。
「あらあら、意外とリョウ様は有名人でいらっしゃるようね」
ユディットが言う。
「サンドイッチというと、最近カテリーナ様がご執心の軽食ですね」
聞こえてきた言葉に反応するブリギッテ。
「ええ。いろいろと試作と研究をさせられて、城の料理人たちは
大変なようね」
ほんわかと微笑みながら言うユディット。
「それにしても、彼は何をやっているのでしょうか?」
ステージ上のリョウは、収納バッグからフライパンや鍋などを取り出しては
棒で叩いていた。
そして、何か納得した顔をした後、ユディットたちの方に戻ってきた。
「ユディット様、すみませんが、手伝いをお願いしてもいいでしょうか?!」
「え?!それは構いませんが・・・」
「では、これを私の合図で叩いていただきたいのですが」
リョウは、バウールの作った両面フライパンのうちの1つと菜箸を1本渡す。
最初はブリギッテに頼もうかとも思ったのだが、ユディットの護衛である
彼女をユディットから離して、何かあったら大変なことになる。
逆に、ユディットに頼めば、近くにリョウがいるので安全だ。
「はい?!」
「とりあえず、叩いてください」
「は、はい・・・」
チーン
「お、いいですね。次はもっと強く」
チ~~ン
「お~!すばらしい!、そんなかんじで、お願いします」
こんなものに、すばらしいも何もなさそうだが、どうせなら気持ちよく
やってほしいと、おだてるリョウ。
「おい!お嬢様に何をさせるつもりだ?!!」
ブリギッテが文句を言うが、
「演奏の手伝いに決まってるじゃないですか。ささっ、こっちへ」
気にせず、ユディットをステージに連れて行くリョウ。
そして、ステージに立ち、演奏前の挨拶をする。
「海の彼方、ニホンという国から来たリョウと申します。
今回は、こちらのウィッツレーベン公爵家令嬢ユディット様のご希望により、
私の国の曲を演奏させていただきます。
皆様のお気に召せば幸いです」
そう言って一礼したリョウは、『青山』を構え、前奏を弾き始めるのだった。




