228 KU・WA・SHI・KU
新作の準備のため、今後の更新が不定期になります。
「エロネタぐらいいいではないか、自分はチューしてたくせに・・・」
頭をさすりながら文句を言うブレンダ。
どうやら、隠形で姿を消して見ていたようだ。
彼女の隠形は、リョウのサーチでもピンポイントでアタリを
つけないと見破れない。
「「「 え?! 」」」
視線がリョウに集まる。
「私はしてません。されただけです」
とリョウ。
「たいして変わらんわい!」
珍しくツッコむブレンダ。
「コリーヌ、お茶を淹れなおして・・・」
指示した後に居住まいを正し、ブレンダに向き直るマーティア。
「ブレンダさん、そこんとこKU・WA・SHI・KU」
「マーティア様、私は別に悪いことをしたわけでは・・・」
リョウが言い訳しようとするが、
「わかってます!別に非難しようとかではありません。
ただ、面白そうな話なので私が聞きたいだけです」
マーティア、思いっきり本音をぶっちゃけた。
マーティアとて年頃の女の子、恋愛に興味がないわけはない。
しかし、聖女という立場によってそれは許されないため、
ずっと我慢してきたのだ。
自分では出来ないため、グレイシアのためにリョウとあんなことや
こんなことをするお膳立てを整えたりした。
うまくいったグレイシアにとても感謝されたし、
『うまくいったのかよ?!くそ~自分だけ女としての幸せの
階段をワンステップ上がりやがって』
などとは、微塵も思っていない。
昨日の馬車の中での女子会のときのジュリアのデートの話でも、
『リョウからプレゼントぉ~?!ペンダントとブローチ両方とも?!
ふん、そんなものあたしの宝冠1つで100個買えるわ!!』
なんて、まるっきり思わない。
さっきブレンダが言ったエロネタだって、
『おっぱいを掴んでみんか?!だってぇ。くだらねぇ!!
第一、あたしのおっぱいのほうがずっと大きくて形もいいんだよ』
とか思うはずもない。
彼女は慈愛に満ちた聖女なのである。
ただ、恋愛に興味津々なだけで・・・。
「朝、ジュリアが部屋の外に行くのを見てのう・・・」
ブレンダの説明がはじまった。
楽しそうに聞くマーティア。
ジュリアは、リョウにキスした場面を話されて赤くなっていたが、
エレールが戻ってきていたことを知って、また不機嫌になった。
「・・・とまあ、こんなかんじじゃった」
話が終った。
「ほっぺにチューだけか~、ちょっと期待ハズレでした」
とコリーヌが言ったことに対して、
(あんた、どんなことを期待してたんだよ?!)
と心の中でツッコむリョウ。
マーティアはそれなりに満足した様子である。
そしてグレイシア。
「リョウ、ちょっとO・HA・NA・SHIしようか」
そう言ってリョウの襟首を掴むと、部屋の外に出て行く。
リョウは、されるがままに引きずられて行った。
そして残された4人は、食後のティータイム兼プチ女子会を
始めるのであった。




