表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
229/520

227 ハンバーガー

また使用許可ををもらって、調理室に来たリョウ。


「さて、何を作ろうか・・・」

と、ひとり言を言ったが、


「ハンバーガーがいい」

返事があった。


「わっ!」

驚いて振り向くリョウ。


そこにはエレールがいた。


「なんで、戻って・・・?」


「朝ごはん、忘れてた」

エレールはそう言ったが、実は嘘である。


リョウと一緒にいたときに、ジュリアの気配に気づいたエレールは

去ったふりをして、様子をうかがっていた。


そして、ジュリアがリョウにキスをして自分のキスが上書きされたため、

ジュリアが見ていないところで、さらに上書きするためにリョウに

付いて来ていたのである。


そんなことを繰り返しても仕方がないような気がするが、それが

女ゴコロというものである。


「そっか」

エレールの頭を撫でるリョウ。


「じゃ、ハンバーガーにしようか」

そう言って、調理を始める。


「んっ」

邪魔にならないように、少し離れた椅子にちょこんと座るエレール。


その姿を見て、昔、妹の恵にホットケーキを作ってやったときのことを

思い出すリョウ。

そのときの恵も今のエレールのように座って待っていた。


家を出て(というか、ほとんど強制的に拉致されて)、まだ2ヶ月足らずだが

やさしい母とかわいい妹を思い出し、ちょっとホームシックなリョウである。

なお、単身赴任の父のことは、思い出さなかった。


リョウがエレールに甘いのも、どことなく雰囲気が妹に似ているからだろう。

性格はまるで似ていないが。


マーティアたちと一緒に朝食をとるかと聞いたところ、嫌だと言われたので

先に1人前を作りエレールに食べさせる。


食べ終わった後に、弁当代わりに余分に作ったハンバーグをホットサンドに

したものを紙に包んでエレールに渡したところ、なぜかオレンジジュースも

ねだられた。


そして、今度はリョウの両方の頬にキスをしてエレールは去って行った。




そして、朝食の時間である。


「おほ~~!これも美味いの~~!!」

ブレンダ、相変わらずである。


「ああ、いいな。俺には、これぐらいガッツリしたほうが合ってるぜ」

グレイシアも気に入ったようだ。


「これは・・・あのときの料理をパンにはさんだものですね」

とジュリア。

リョウとデートしたときの夕食にハンバーグを食べたことを

思い出して、エレールのせいでナナメだった機嫌が少し良くなった。


「おいしいですが、ちょっと多いですね。グレイシア、どうぞ」

「おっ、いいのかい。ありがとう、マー様」


ナイフで半分に切って、1つをグレイシアに渡すマーティア。

フライドポテトやサラダもあったので、彼女には朝から重すぎたようである。


「もぐもぐもぐ・・・」

コリーヌは、無言で食べ続けていた。


「まったく、リョウには完全に胃袋を掴まれてしまったわい」

とブレンダ。

「わしと結婚して、胃袋だけではなく、このおっぱいも掴んでみぬか?!」

両腕を組んで、胸を持ち上げる。


「朝からエロネタをするな~~!!!!」

リョウのツッコミ脳天唐竹割りが炸裂した。


本当にブレンダは相変わらずであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ