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226 ねんねんころりよ~♪

いつものように聖女の寝ている部屋の前の廊下で警護をしているリョウ。


「うん?!」


何かに気づいたリョウは、廊下の端を見るが何も見えない。

しかし、サーチに人間の反応があった。


リョウはゆっくり立ち上がりながらも戦闘態勢はとらずに声をかける。

「やっほ~、頼まれたやつ出来てるよ」


「んっ」

返事とともに姿を現す少女・・・に見える22歳、メイフィールド領軍

スカウト、エレールである。


収納バッグからさっき作ったパイ&ホットサンド+ヴェストン焼きの

セットを取り出し、エレールに渡すリョウ。


「念のために2セット多く作ったので、その分は君の好きにして」

そう言って、紙包みを7つ渡すリョウ。


クロード・メイフィールド伯爵、アンジェリカ夫人、エドワード、

カミーユで4つ、そしてエレールで5つだとは思ったが、もしかして

残った1つは他の人の分かもしれないということで、エレールが

間違いなく食べられるように2つ多く用意したのだ。


リョウはダメ人間ではあるが、気遣いの出来る男である。


「んっ、ありがと」

見た目は素っ気ないが、エレール大喜びである。


受け取った紙包みを自分の収納バッグに入れたエレールは

リョウの身体を押して床に座らせる。


そして、足を開かせ股の間にちょこんと入り込んでリョウの顔を

見ながら言う。

「また女を増やした」

ちょっと怒っているようだ。


「そんなことを言われても・・・」

エレールをなだめようとするリョウ。


「ん、わかってる。私のことを忘れないならいい」

そう言いながら、リョウの胸元に顔をうずめるエレール。

「あの女にやったようにする」


リョウは一瞬何のことかと思ったが、すぐにブカーブ村で、怒った

ジュリアのしたことを思い出した。

そして、エレールを軽く抱きしめ頭を撫でる。


「んっ」

リョウの胸に頬擦りするエレール。

これでよかったようだ。


さらにリョウは、

「Hush‐a bye~♪」

子守唄を歌い始めた。

他の者には聞こえないように小さな声で。


聴覚強化のスキルを持つ者以外には・・・。




夜明け前にエレールは、リョウから漏れ出る聖属性の魔力と

子守唄に癒されて、スッキリとした顔で去って行った。


リョウの頬にキスを残して・・・。


エレールを見送るリョウ。


その後ろから近づく者がいた。


「リョウ~、おはよう~」

ジュリアである。


「あっ、おはようジュリア」


振り返るリョウに抱きつき、首に腕を絡ませて頬にキスをするジュリア。

そして耳元でささやく。


「今度は、私にも子守唄を歌ってちょうだいね」


そしてにっこり笑って振り返り、去って行った。


その後姿を見送った後、とりあえず機嫌を取るために朝食を

作ろうと調理場に向かうリョウであった。

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