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22 甘味

「剣とかお酒とか、どうでもいいですわ!」

マリエールが怒って言う。

「そんなものより、もっといいものを作って欲しいですわ!」


リョウは、女の子の望みとしては、当然だと思ったが

それより、問題は・・・


(さっきは聞き逃していたが、この娘『ですわ令嬢』

だったのか!)


『ですわ令嬢』、それはリョウの好きな属性の1つであった。

その名のとおり、語尾に「ですわ」や「ますわ」を使う

ツンデレがよく似合うお嬢様キャラである。


もっとも、リョウの好きな属性ランキングで言えば、なんとか

ベスト10に入るぐらいであり、マリエールはロリすぎるので

攻略対象としては、まるっきりナシである。


ちなみに、リョウのナンバーワン属性は、『腹筋短髪巨乳、

日焼けだけど地肌は白いのよ』キャラである。

めったに需要のないレア変態である。


攻略対象からは、はずれるとはいえ、美少女の要求である。

(女の子の好きな物といえば・・・やはり甘い物かな?!)

ということで、リョウはマリエールに聞く。


「マリエール様は、甘いお菓子とかは、お好きですか?」

「大好き!!」

くい気味に返事がきた。

となれば、これもお約束っぽいパターンがある。


「シュタイナー様、ここでは砂糖の流通はどうなっていますか?」

「砂糖は、ゴジール共和国からの輸入なので、高価で流通量も少ない。

ここは、ゴジールと近いので、比較的安いがそれでも、

100グラムで5000シルはするな。」


「あ、そうか、お金の単位や価値がどれぐらいかも

教えてもらわないといけませんね。とりあえず、砂糖はあると。

他の甘味には、どのようなものがあるでしょうか?」


「庶民の甘味といえば、果物だな。干したり、焼いたりした果物も

人気があるようだ。あとは、ハチミツぐらいか」

そういえば、今日の夕食にも焼きリンゴのようなものがでていた。


「ああ、私の国にも渋くて食べられない果物を干して

甘くして食べるものがあります」

リョウは、干し柿を思い出して言う。


「なるほど、干すとそういう変化がでるのか」

「ええ、物にもよりますが。さっき言った蒸留酒に漬け込んでも

変化がでます」

シュタイナーはリョウの披露する知識が本物であると認めたようだ。


「では、そちら方面の開発もお願いしたい」

「はい、とりあえずは、この領の産物や産業を調べたいので、

方針はその後にお話します」

「うむ、必要なものがあれば、そのときに言ってくれ」


甘味のことで、リョウは、あるものを思いついていたのだが

失敗してがっかりさせたらまずいので、隠しておくことにした。

小麦があるから、ほぼ間違いなく作れるはずであるが、

実際にやったことがないので、こっそりと作るつもりである。


それに、サプライズがあったほうがいいよね。

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