209 ヴェストン村その8
「知ってるおっぱいだ・・・」
気絶から回復したリョウがつぶやく。
上向きで寝ている状態なので、屋内なら天井が見えるはずが、リョウの視界を
埋め尽くしていたのは、見覚えのある刺繍がほどこされた服に包まれた巨乳の
下部分であった。
「お気づきになりましたか・・・グレイシアが申し訳ありません」
巨乳の向こう側からマーティアの声が聞こえた。
リョウはマーティアに膝枕されていたのだ。
しかも普通の膝枕は太股に対して横方向のはずだが今は縦方向、つまり
太股の間に後頭部がはまるような形でされていた。
「あの~、今、どういう状況なんでしょうか」
乳越しにマーティアに尋ねる。
マーティアは、リョウに以下のことを説明した。
リョウはグレイシアにふっとばされて気絶したこと。
ヒールした後にサーチして頭蓋骨に異常はなかったが脳の状態は
わからないのでもう少し安静にしたほうがよいこと。
現在、ブレンダとグレイシアは部屋の隅でコリーヌの監視のもと正座中、
ジュリアは警備で廊下にいるということ。
「な~、反省してるから、もう許してくれんかの?!」
「足が痺れて・・・これじゃ襲撃者がいても戦えないぞ・・・」
「お黙りなさい!リョウ様をこんな目に合わせて!!本来なら追い出す
ところですよ!」
2人を叱るマーティア。
「いや、わしがやったんではないし・・・」
ブレンダ、不満顔だが、
「黙れと言いましたよ!3度は言いません!!」
というマーティアの言葉に何も言えなくなる。
「あの~、それぐらいにしてあげてください・・・」
そう言いながら、リョウはマーティアの膝枕から抜けようとするが、
普通に起きたのでは下乳に頭がぶつかってしまう。
少し考えて、リョウは横にゴロンと転がった。
ちょっとマヌケっぽい動きである。
「2人の行動の原因は、私の優柔不断な態度ですので・・・」
起き上がりながらそう言うリョウに周りの者は全員、
『『『『 自覚あったんかい!! 』』』』
と心の中でツッコんだ。
「ブレンダさん」
リョウは正座するブレンダの前に行き座って、ブレンダの目を真っ直ぐに
見ながら言う。
「すみませんが私には、あなたよりグレイシアのほうが大事なので王都に
着いたら別行動をとります」
「うぐっ」
そう言われてはブレンダに返す言葉はない。
「う・・・リョ、リョウォ~!!」
自分のほうが大事だというリョウの言葉を聞いたグレイシアは嬉しさの余り
リョウに抱きつこうとした。
しかし、正座で足が痺れていたため、つんのめってしまい、そのまま
リョウにダイブしてしまう。
「あわわわわ・・・」
ブレンダに気をとられていたリョウはグレイシアを受け止めようとするが
反応が遅れた。
結果、ダイビングボディプレスをくらってしまった。
一緒に倒れこんでしまったが、今回は何とか身体強化が間に合ったので
気絶は免れた。
「す、すまん、リョウ・・・」
謝るグレイシアだが、足が痺れているので立つことが出来ない。
(おっぱい後、腹筋か・・・)
グレイシアのお腹に顔を押しつぶされながら、アホなことを考えている
リョウであった。




