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202 独白・ガラント

今回は、ガラントの一人称です。


リョウがガリアに戻ったときに投稿する予定だったのですが

このほうがわかりやすいと思ったもので。


それにリョウ、いつガリアに戻れるのかわからないしw

わしはガラント、ドワーフの鍛冶屋じゃ。

腕を見込まれてガリアで領主様の御用達ごようたしおおせつかっておる。


その領主様の相談役という若者の用事が・・・ドワーフ酒を造るだと?!!

製法はドワーフの秘伝のはずだが、盗んだのか?!!!

うちの国ではよく知られているって?!

どこじゃ?!そこは。

ニホンという文明のずっと進んだ国?!


いろいろと信じられない話だったが、このリョウという若者の器具(蒸留器と

いうそうじゃ)の説明は筋が通っていたし、領主様の依頼であるし、

ドワーフ酒の製造が安定したら優先的に分けてくれるということじゃ。


うむ、引き受けない理由がないわい、特に最後の理由で。


そして、わしが作った蒸留器で出来たドワーフ酒・・・いや、ウイスキーは

ドワーフたちが作ったものより度数がずっと高くて美味かった。

だが、リョウの話では熟成させないとダメだそうだ。


熟成か・・・作ったら全部飲んでしまうドワーフには、なかなか出来ない

ことじゃ。

じゃが、ここで大量生産出来れば、その一部を熟成させればよい。

楽しみでたまらんわい。


しかし、蒸留所の建設の前にリョウが王都に呼び出されてしもうた。

いったい誰じゃ、邪魔をするのは!!


しかし、リョウは行く前に約束どおり60度のウイスキーを持ってきてくれた。

プハ~~~、うまい!これじゃ!わしの求めていたものは。


翌日、わしは領主様の館に行き、ドワーフの里に行って職人を連れてくる

ことを相談した。

さすがに、大型の蒸留器を作るには人手が足りんが、ガリアでまかなうには

職人の質も数も足りんし、蒸留器の材料の調達も必要じゃ。


そのために、もっとウイスキーが必要じゃ。

ドワーフに頼みごとをするときは、何といっても酒じゃからのう。


何?!蒸留器を1つ領主様の姉が持っていった?!

何てことじゃ・・・まあ、仕方ないか、かみさん連中に頭が上がらんのは

ドワーフも人族も同じじゃのう・・・。


とりあえず、残った2つでウイスキーを造ってくれ。

わしは、工房に戻って追加の蒸留器を作る。


そして2日後、わしはドワーフの里に向かった。

ありがたいことに、領主様が領軍から護衛をだしてくれた。

精鋭揃いで有名なガリア軍の護衛がいるのに襲ってくる盗賊などおらん。

安心してドワーフの里まで往復できるのう。


もちろん馬車の荷台と収納バッグには造ってもらったウイスキーをたっぷり

詰め込んである。

護衛ばかりか庶民には手の出ない収納バッグも貸していただけるとは、

領主様もこの計画に気合が入っておるようじゃ。


リョウはメイドたちにちゃんとウイスキーの作り方を仕込んでくれておった。

やはり、出来る男は違うのう。


ガリアを出て3日後、ドワーフの里に着いた。

おっと、荷台のウイスキーの樽が見つからないように収納バッグに入れて

おかないと。


ん?!なぜ全部、収納バッグに入れておかなかったかって?

熟成じゃよ。

たった3日じゃが、少しは違いがでるはずじゃ。

それに、樽にはリョウが言っていた『内側を火で焦がす』ことをやって

あるのでその効果も期待じゃ。


さっそく師匠のアイオロス親方と2人だけで話じゃ。

他のドワーフにウイスキーのことを知られるのは、まだ早すぎる。

いい職人を寄こしてくれるといいのう。


はっはっは、どうじゃ!!60度のウイスキーは。

もっと飲みたいなら協力してくだされ。


え?!!師匠が来る?!しかも、一番工房の弟子達も全員つれて?!!


いや、ありがたいのじゃが、いいのじゃろうか・・・??

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