表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
197/520

196 デコピンふたたび

マーティア、リョウ、ジュリアそしてブレンダはテーブルにつき、

コリーヌが紅茶を淹れる。

グレイシアは用心のためマーティアのななめ後ろに立っていた。


「茶菓子はアップルパイを所望じゃ」

と、ブレンダが言うが、


「こんな時間に食べるには重すぎますよ」

そう言いながら、大皿にポテチをだすリョウ。


「何じゃ?これは!」


「私の国で人気のお菓子ですよ。ポテトチップスといってジャガイモを薄く

切って油で揚げて塩味をつけたものです」

リョウはそう言って、ポテチを1枚摘み上げ食べてみせる。


パリパリ・・・


それを見て、ブレンダもポテチを1枚とる。

「歯ごたえがよさそうじゃの・・・」

ポテチを目の近くにもってきて確認するように見た後、そう言って、

口に入れる。


パリパリ・・・


「ふむ」

気に入ったようで、さらに摘んで食べる。


パリパリ・・・パリパリ・・・パリパリ・・・


連続で食べ続ける。


パリパリ・・・パリパリ・・・パリパリ・・・


そして、皿は空になった。


「んっ?!なくなったぞ。お代わりじゃ!」

リョウの前に皿を差し出すブレンダ。


「ね~~~よ!!というか1人で全部食うな!!」

リョウが叫ぶ。


「んっ、わしにそのような口をきいていいのかの?!」

ブレンダ、態度がデカい。


「どういう意味かな?」


「先ほど、そちらの聖女殿が言ったじゃろ?!ブレンダ・アウグストと」


「それで?」


「アウグストとは、魔族の王家の家名じゃ」


「それで?」


「いや、じゃから、わしは王家の者じゃと!」


「それで?」


「え??!!」


リョウ、右手の中指を曲げて親指で支え、ブレンダの顔の前に出す。


「何じゃ?」

不思議そうな顔のブレンダ。

リョウの指を見て、寄り目になっているのがちょっとかわいい。


バコン!!!

「ぐはぁ!!!」


リョウのデコピンをくらって椅子から転げ落ちるブレンダ。

もちろんチャタム村の狼獣人のガスパールにやったものよりずっと手加減

していたが、それでもブレンダは、痛さのあまり床の上を転げまわる。


「何をするのじゃ!!」

数分後、立ち直ったブレンダが叫ぶ。

額に赤くデコピンの跡がついていた。


リョウ、『インド人か?!』とツッコみたかったが誰もわかるわけないので

「いや、ムカついたもので」

とだけ言う。


「ム、ムカついたじゃと!そんな理由で王族のこのわしに対し・・・わっ!」

あわててリョウから離れるブレンダ。


リョウが、また右手を前に出してデコピンの体勢をとったのだ。


「お、お主、王族さえも気にしないとは、いったい何者なのじゃ?!」

ブレンダが、両手でオデコをガードしながら聞く。


「ただの平民ですよ。というか、私の国に貴族なんていませんし」


「貴族がいない?!そんなバカな!!それでは政治が出来ないではないか!」

リョウの言ったことが信じられないブレンダ。


「まあまあ、とにかく落ち着いて話をしましょう」

マーティアが場を仕切りなおす。

「お2人ともお座りください」


マーティアの言うことに従って席につくリョウとブレンダ。


そして、リョウは、とりあえずお約束のニホンについての設定を

話すのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ