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195 対策

魔力の触手はボムリザードのときと同じようにリョウに絡みつくが、

リョウはたいした抵抗もしない。

当然、触手で四肢や胴体を拘束されてしまう。


(こういうのはムチムチの美女がやられるべきで、俺がやられても

誰も喜ばね~~よ!!)

リョウは拘束されながら、そんなことを考えていた。


「かっかっか・・・、どうじゃ?動けるかな?」

そんなリョウの思いも知らずに勝ち誇るブレンダ。


「これは、どういう目的ですか?」

リョウは、何も問題ないというふうに落ち着いた様子で聞く。


「ほう、余裕じゃのう。わしが危害を加えぬとでも思っておるのか?」


「加えるんですか?!」


「場合によってはの」


「敵対とみなしますが、いいんですね?!」


「そ、それはちょっとまずいかの・・・」

いきなりヘタれるブレンダ。


「だったら、いきなりこんなことしないで、普通に話して下さいよ」


「それじゃぁ、つまらんじゃろ!手合わせした後に『なかなかやるな!』

『お前もな!』みたいなやり取りをするのが、いいんじゃないか?!」

ブレンダ、間違いなく中二病である。


カチャッ


ドアが開き、マーティアたちがでてくる。

リョウとブレンダの様子はジュリアが聴覚強化スキルで聞き取って

伝えており、だいたいの状況は把握していた。


「リョウ、そういう趣味があったの?!」

ジュリアがボケをかます。


「リョウ、あんなことやこんなことはまだしも、そんな変態プレイまで

俺は付き合いきれないぞ」

さらにグレイシアものってきた。


「趣味でこうなってるんじゃね~~よ!!!」

思いっきり抗議するリョウ。


そして、軽くため息をついて、

「手の内はあまり見せたくなかったんだが・・・まあいいか」

リョウは、そう言いながら気合を入れる。


「ふむっ!!!」


ジュッ・・・


気合とともに、リョウを中心とした半径1m余りの範囲にあった触手が

空気に溶けるように霧散した。


「何じゃと!!」

驚きを隠せないブレンダ。


トトンッ


持ち上げられていた触手が消えたため空中で支えがなくなったリョウは、

前傾姿勢で右手を横に上げ左手と両足で着地しながらポーズをとる。

いわゆる3点着地である。


「昼間に何度も見せてもらいましたからね。すみませんが、対策を

たてさせていただきました」

そう言いながら、立ち上がるリョウ。


「い、いや。対策をとろうと思っても、とれるもんじゃないじゃろ!!

まして、半日も経ってないのじゃぞ!」

困惑するブレンダ。

「いったい、どうやったのじゃ??」


「それは秘密です(笑)」

往年の人気バラエティー番組のタイトルのようなことを言うリョウ。


「う~~~・・・」

ブレンダ、くやしそうである。


「それぐらいにして部屋で落ち着いて話しましょう。ね、ブレンダ・

アウグスト様」

マーティアがブレンダに声をかける。


「何?!」

家名を言われて驚くブレンダ。


「さあ、どうぞ」


マーティアに招き入れられて素直に部屋に入るブレンダに続いて

リョウたちも部屋に入るのだった。

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