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178 首ちょんぱ

GWは投稿を休ませていただきます。

連休明けに再開いたしますので、よろしくお願いします。

外に出たリョウは、ちょうどよさそうな大きさの石を探す。


「村長さん。この石、形が変わってもいいですかね?!」

リョウが見つけたのは、ラグビーボールを大きくしたような形をした

長径40cm、短径30cmほどの灰色の石だった。


「あ、ああ・・・別に構いませんが・・・」

何をする気なのかわからない村長。


「何か書くものは・・・これでいいか」

リョウは石灰石のような白い石を拾い、それでさっきの石の短径に沿って

ぐるりと線を引く。


「この線ををボムリザードの首としますね・・・あ、目と口も描いたほうが

いいか?!・・・」

村長たちに説明しながら目と口も描く。


「がお~~~!・・・なんちゃって」

リョウ、楽しそうである。


そのトボけたリョウの行動にイラついた村長は、

「形を変えるとおっしゃったから、この石を剣で切るとかではないかと

思ったんですが、絵を描くということだったのですか」

とイヤミを言う。


「な~んだ、わかってたんですね」

そう言って笑うリョウ。


「「「「「 え?! 」」」」」

まさか肯定されるとは思ってなかった村長と2人の会話を聞いていた者たち。


「最初から近くにいたらおかしいので少し下がってください」

リョウはそう言って、皆を石から離れさせ、自分も7mほどの距離をとる。


「あっ!ボムリザードだ!」

石を指差し、棒読みで叫ぶリョウ。


その様子を冷たい目で見る観客たち。

(マーティアたちを除く)


次の瞬間、リョウが消えた。


「「「「「 !! 」」」」」


そして、顔の描かれた石の右斜め前に現れる。


あまりの踏み込みの速さに目で追うことが出来なかったため、消えたように

見えたのだ。


リョウはさらにフェイントをかけるようにステップして石の顔の左側に

回り込みながら収納バッグから剛斬丸を抜き、上段から斬りつける。


「「「「「 !!! 」」」」」


カシッ


金属音のような、そうでないような音がした。


剛斬丸を振り抜いたリョウは、反動を利用して宙返りして石を飛び越え

着地して、剣道で言われる残心を決める。

そして、片手で剛斬丸を空中で2~3回旋回してから収納バッグに納め、

村長たちのほうに歩いていく。


「と、狩るときのパターンの1つはこんな感じですかね」

村長の前まで来たリョウは、石を手のひらで示しながら説明する。


ボムリザードに見立てた石は、首だと言って引かれた線で真っ二つに

なっていた。


「か、かかか・・・」

村長、言葉がよくでない。


「んっ?!」


「狩るのは、神殿騎士様ではなかったのですか?!」

やっと言葉を搾り出した村長。


「依頼を受けたのは私ですし、神殿騎士さんたちは聖女様の護衛という

大切な役割がありますので。あ!私、Bクラスハンターです」

ギルドカードを取り出して見せるリョウ。


「他にも狩り方はあると思いますが、とりあえず首を切り落とせば

爆発されることはないですよね?!」


笑顔でそう言うリョウに、村長は返す言葉がなかった。

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