165 アミーナ その2
今回もアミーナの一人称視点です。
「聖約?!!!」
神使様が話せないのは、強力な聖魔法を得るための制約だということで
創造神様との契約とのことでした。
(注:「自分自身は治せないのか?」というアミーナの質問に、
リョウがたった今作った設定です。
ハ○ター×○ン○ーとかを参考にしたと思われます)
民衆を癒すために自分を犠牲にして創造神様と契約するとは、
何と気高いお方なのでしょう。
(注:あくまでもリョウの作った設定です)
ということは、神使様は創造神様とお会いになったことが?!
創造神様は、どういうお方なのでしょうか?
聞いてもいいのでしょうか?
(注:のじゃロリババアです)
『治療を始めてもいいですか?』
はっ!いけない、考え事をしている場合じゃありませんでした。
「もっ、もちろんです!」
うながされて、治療用のベッドに横たわります。
そして、火傷の跡を隠していた髪の毛をめくられました。
この瞬間は、いつになっても慣れることは出来ません。
自分の醜い部分を他人の目に晒すのですから。
神使様の手に触れられた火傷の跡が暖かくなってきました。
火傷は顔の左側、髪の生え際から左耳にかけてなのですが、
神使様は顔の右側も撫でています。
何か意味があるのでしょうか?
5分ほどの後、神使様の手が顔から離れました。
「おおっ!!」
父が叫び声をあげました。
シスターが手鏡を渡してくれました。
手鏡には、火傷の跡などどこにも見当たらない女の子が映っていました。
鏡に映った女の子の表情は驚きから嬉しさへと変化し、最後は泣きそうに
なっていました。
「お、お父さん・・・」
「アミーナ・・・」
父が私を抱きしめます。
私も負けじと抱きしめ返します。
抱きしめ合いながら2人とも泣いていました。
『喜んでいただけるのはいいんですが、まだ身体のほうが残ってますので』
神使様の声が頭に響いてきます。
「あっ、す、すみません。よろしくお願いします」
父があわてて私から離れます。
身体の火傷は、左肩から左胸にかけて跡が残っています。
顔と同じように神使様の手が触れて火傷の跡を癒していくのがわかります。
そのとき、
『すまないが、右の胸も触っていいかな?』
神使様が尋ねられました。
「はい、どうぞ」
一瞬、何でなんともない右の胸を?と思いましたが、顔をあんなにきれいに
治してくれた神使様に嫌だなんて言えませんでした。
神使様は形を確かめるように右の胸を左手で触りながら、右手で左の胸の
治療をしていきます。
そして、
『出来た!いかがでしょうか?!』
出来た???
終ったじゃなくて?!
どういう意味でしょうか?
シスターが持つ鏡で自分の身体を見ると、そこには火傷の跡など最初から
なかったかのようなすべすべの肌と形のよいおっぱいが映っていました。
左の胸は火傷したため、ひきつれてぺちゃんこだったのがふくよかな丸みと
柔らかさをもったものになっていました。
そして、まるでバランスをとるように右の胸も大きくなっています。
バランス?!
ああ、右の胸も触るとということはそういうことだったのかと納得しました。
そういえば、顔の右側を撫でていたのも、ただ治すだけではなく
左右のバランスをとるためだったのかと理解出来ました。
ふと、父のほうを見ると、顔が赤くなっていました。
「お父さん!見ちゃダメ!!」
思わず腕で胸を隠します。
「あ、す、すまん。あまりにもきれいだったから・・・」
視線をはずしながら、そう言いました。
そして、父は神使様に向かって膝をつき頭を下げました。
「神使様、娘を治していただき、何とお礼を言ったらいいか・・・」
私もあわてて父の横に行き膝をつきお礼を言います。
神使様は父と私の肩に手を置きました。
『お気になさらないでください。それより、次はお父さんが治る番ですよ』




