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161 晩餐会後

晩餐会も終り聖女たちを見送ったジャスティン伯爵たち。


マルティナは若返ったような身体と気分でウキウキ、

レイチェルはマルティナほどではないが、やはり機嫌がよく、

ジャスティンは、リョウに対する態度で失敗したと少し後悔していた。


「何とかしてリョウにこの領の利益になることで協力してもらうことは

出来ないかな?!」

ジャスティンが2人に言う。


「今日のあなたの態度では無理でしょうね」

あっさりとレイチェルが言う。


「うっ」

ジャスティン、返す言葉がない。


「あきらめなさい。こういうときは、下手なことをしちゃダメだって

いうことぐらいわかってるでしょ」

マルティナもジャスティンをたしなめる。

「そんなことより、私は明日からアントウェルに行くからよろしくね」


「アントウェル領というと、マリエージュ様のところですか。

急になぜ?」

いきなり旅行に行くという義母ははをいぶかるジャスティン。


マリエージュとは、アントウェル侯爵夫人で、マルティナの学園時代からの

仲良しグループの1人である。


「決まってるじゃない!この美しくなった顔と身体を見せびらかしに

行くのよ!!」

胸を張って答えるマルティナ。


「あ、もちろん、リョウ様の情報を共有するためもあるわよ」

そういうマルティナであるが、9:1ぐらいの割合で、見せびらかしが

主である。


「お母様、身体に無理をさせたので、副作用があるかもしれないから

しばらくはおとなしくしてくれと、リョウ様がおっしゃったでしょう」

とレイチェル。


「ちゃんと馬車に乗っておとなしくしてるわよ。ああ、マリエージュの

くやしがる顔が目に浮かぶわ!」

マルティナ、ウキウキが止まらない。


「そうそう、レイチェル、あなたの服を貸してちょうだい。今の私に合う

明るい色の若い人向きのデザインの服を着ないといけないわ」


これはもうどうしようもないとあきらめる伯爵夫妻であった。





聖女たちの帰りの馬車の中。


「リョウ様・・・」

コリーヌがリョウに聞く。

「あの、曲芸みたいなものは、何なのですか?」


「あははは・・・」

リョウは頭をかきながら答える。


「普通に作ったのでは面白くないと思って、やってみました。

フレアバーテンダーと言われるカクテルを作るときのパフォーマンスです。

私はあまり上手くないので、中途半端でしたね」

カクテルを作る道具を揃えておこうと思うリョウ。


「いえ、面白かったです。特にオランの実を空中で切ったのは驚きました」

と、マーティア。

あの果実はオランというらしい。


「ああ、なかなかよかったぞ。それに、あの酒もうまそうだった。

もちろん帰ったら、俺たちにも作ってくれるんだろ?!」

グレイシア、リョウに対して甘え上手になってきている。


「護衛の仕事に差し支えなければ、作りますが・・・」

とリョウ。


「マー様」

グレイシアがマーティアを見る。


「・・・、1杯だけですよ」

仕方ないという感じで言うマーティアだが。


「もちろん、私もいただきます」

自分も飲みたかったようである。


「私も私も」

とコリーヌ。


本当に1杯で済むのか、心配なリョウであった。

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