142 出発準備その3
(さて、サンドイッチの具は何にしようか・・・?!)
考えるリョウ。
定番の卵、チーズ、ハムはあるが、マグロがないのでツナマヨが
出来ない。ということでチキンマヨにすることにした。
当然、マヨネーズが必要なので、作り方を教えながら交代で
かき混ぜてもらう。
4人で交代なので、そんなに大変ではなかったようだ。
そして、牛もも肉のかたまりがあったので、徹夜する裁縫部の
者たちへのご褒美として、ローストビーフサンドも作ることにする。
まずは、牛もも肉に塩、コショウ、ニンニクをすり込む。
フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、牛もも肉を入れ
表面に焼き色がついたら金属のふたをして弱火でゆっくり熱を通す。
アルミホイルがあれば、火からおろした後に包んで保温するのだが
そんなものはないので、ふたをしたままかまどの側に置いておく。
メイン料理は鶏の唐揚げにするつもりなので、その中から胸肉と
モモ肉を一部とりだし皮を剥き、沸かした湯に少し多目の塩を
入れたもので茹でる。
炊飯器があれば、沸かした塩水と一緒に入れて保温にしておけば
いいのだが、やはりそんなものもない。
文明の利器のありがたさを改めて実感するリョウであった。
茹でた鶏肉は、手で細く裂いて、みじん切りにしたパセリを
混ぜたマヨネーズであえて、チキンマヨの出来上がりである。
チーズ、ハム、野菜を適当な大きさに切り、ゆで卵をつぶして
マヨネーズであえたフィリングも作る。
あとは、全員で手分けして薄切りにしたパンにバターを塗って
具をのせてソースをかけ、はさんでいく。
ローストビーフは冷まさないと肉汁がでてしまうので、ローストビーフ
サンドは、まだ作らない。
「ナタリー、具が多すぎるわよ」
「何よ、あなたのが少なすぎるのよ」
「チーズと卵を組み合わせてみましょ」
「じゃ、私はチーズとハムね」
なんか、女子高の調理実習みたいな感じである、見たことないけど。
まあ、楽しそうでいいか、と自分を納得させるリョウ。
そして、サンドイッチを4人のシスターにまかせ、特別任務(笑)を
任せたシスターのところに行く。
「どうですか?」
「はい、柔らかく煮えてると思います」
シスターが答える。
シスターが煮ている鍋からスプーンで小豆をすくい、指でつぶし
固さを確かめるリョウ。
「うん、いいみたいですね。じゃ、あとは私がやりますので、
あなたはジャガイモとニンジンを茹でて下さい」
そう言った後、リョウはザルに上げて水をきった小豆を鍋に戻し、
砂糖を加えて水分をとばしていく。
仕上げに水あめと塩を加えて出来上がりである。
そう、特別任務とはあんこ作りであった。
出来たあんこは、ミニホットケーキを作ってはさみ、『なんちゃって
ドラ焼き』にして、デザートにだす予定である。
次に、メインの鶏カラを作っていく。
手羽、手羽元、胸、モモなど下味をつけたいろいろな部位を揚げていく。
ついでに、さっきチキンマヨを作るときに剥いだ皮も揚げる。
茹でたジャガイモをつぶし、細かく切った茹で卵や野菜を
まぜてマヨネーズであえ、塩コショーして、ポテトサラダを作る。
その上に弱火でカリカリにしたベーコンを細かくしたものを散らす。
最後にマヨネーズ作りで余った卵の白身をメレンゲにしてもらい、
それを使ってミニホットケーキを作っていく。
マヨネーズのときはそうでもなかったシスターたちであるが、
メレンゲ作りはキツかったようである。
手回し式のハンドミキサーの開発を検討するリョウであった。




