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141 出発準備その2

「よろしく頼むわね」


「かしこまりました」


マーティアから命令を受けたのは、教会の暗部の責任者である。

暗部と言っても情報収集や陰からの護衛など目立たない役目を

主にしているのでそう呼ばれるだけで、非合法活動はしないと

いうことになっている。あくまでも建前としてだが。


今回の命令は、マーティアたちの行く町や村に先行し、情報を集めて

おくことである。

また、町長や村長をはじめとした地域の有力者に協力を求めるのも

役目であるが、そういう者はえてして悪事を働いていたりするので、

調べた上で報告することも大事なことである。


そして、暗部の責任者が部屋から出ると待合室で待機していた

魔法部の責任者が入ってきた。


教会と言えば聖属性魔法であるが、風火地水の4属性も有用で

あるので、人材を確保している。


そして、マーティアと打ち合わせを始める。


そういうふうに、今回の遠征とも言える旅の準備をすすめていく

マーティアであった。




神官服の採寸が終ったリョウは、厨房で料理の指導をしていた。


今回は50人分以上を作ることになった。


アラバンドに行くのは20人ほどだが、行くための準備をする者も

含めるとそれだけの人数になり、その者たちをねぎらうためにも

リョウの料理をということだ。


特に裁縫部は、リョウの神官服の刺繍のために徹夜になる予定だという。

彼女たちのための夜食と旅の携行食用のサンドイッチも大量に

作らなくてはならない。


当然、1人では無理なので5人のシスターが助手をしてくれる。

ついでに、レシピも教えてくれということだ。


すでにパンを焼く係の者たちは、仕事にとりかかっており、夕食の

分だけではなく、旅で食べる分、現地での炊き出しの分なども

作るためにパン焼き窯はフル稼動である。


まずは、手伝いのシスターの1人に特別任務を命じる(笑)。


そして、厨房にある食材をチェックしていくリョウ。

トマトに似た野菜があったが形が楕円形で卵のような形をしている。


「これは何ですか?」

助手のシスターに聞く。


「これは、トマトですね。オーブンで焼いたり、スープに入れて

煮たりします」


「あ!加熱調理用の品種か!!」

リョウは缶詰以外では、生食用のトマトしか見たことがなかったので

ピンとこなかったのだ。


「トマトの料理といえば・・・うん、やっぱりミネストローネだな!」


大鍋で湯を沸かし、トマトに十文字の切れ目を入れる。

沸かした湯にトマトを入れると切れ目から皮がはじけてくるので

皮を剥く。


見本に1つ皮を剥いたら、あとは手伝いのシスター2人にまかせて

次の工程に入る。


ベーコンとジャガイモやタマネギなどの適当な野菜を残りの

シスターたちに適当な大きさに切ってもらいながら、リョウは

ニンニクの皮を剥いてみじん切りにする。


大鍋にオリーブオイルをたっぷり入れ、切ったにんにくを焦げないように

弱火で炒める。


にんにくの香りが出てきたら、ベーコンや野菜も一緒に炒める。


皮を剥きヘタを取ったトマトをつぶして入れ、水、白ワイン、

ローリエを加え煮て、塩・コショーで味の調整をして出来上がりである。


さて、次はサンドイッチである。

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