140 出発準備その1
更新再開です。
結局まだうまくまとまってない感じなのですが
きりがないので見切り発車!!
リョウたち3人が演劇場の出入口まで来ると、グレイシアとコリーヌが
待っていた。
「おまたせ~」
リョウが声をかける。
「おう、来たか。腹がへったぞ。早く帰って飯を作ってくれ」
グレイシアが右手の拳で腹筋を軽く叩きながら言う。
当人は無意識だが、リョウにとってはご褒美なので、心の中で
手を合わせておく。
「さっきこれを作ったので、馬車の中でどうぞ」
リョウは紙で包んだフルーツサンドを取り出し、2人に渡す。
「え?!何ですか?」
そう言いながら包みを開けようとするコリーヌだが、
「これ!馬車で開けなさい!」
マーティアに叱られた。
「それで、そっちの姉ちゃんは??」
グレイシアがジュリアのことを聞く。
「私の仲間でジュリアです」
リョウが答える。
「ジュリアです、よろしくお願いしますね」
ジュリアは笑顔で挨拶するが、
「あ、ああ、グレイシアだ。よろしくな」
「コリーヌです。よろしくお願いします」
グレイシアとコリーヌは微妙な雰囲気だ。
『ほら、グレイシアさんがモタモタしてるから、先をこされちゃった
じゃないですか』
『俺のせいじゃないだろ。この短期間で何が出来るんだ?!』
2人は離れてコソコソ話すが、ジュリアにはしっかり聞こえていた。
正直なところ、ジュリアは彼女達がリョウに取り入ろうとするのを
邪魔する気はない。
そんなことをしたら自分がリョウに嫌われることになるのが
わかっているし、リョウと一緒にいられる、今はそれだけで
充分であった。
そして、馬車の中。
「わ!何だ?!これ」
「おいしいです~!」
2人とも気に入ったようだ。
「本来は肉や野菜をはさむんですが、こんなのもあるということで」
リョウが説明する。
「その本来のほうも作ってくれるんだろ?!」
グレイシアが期待をこめて言う。
「はい、携行食として作っておくつもりですよ」
旅の途中で料理が出来ない状況になったときのために用意する
つもりである。
「う~、楽しみです」
コリーヌがフルーツサンドを食べながら言う。
「これこれ、遊びに行くのではありませんよ」
というマーティアだが、やはり楽しみな様子である。
(くふふふ・・・、本当に楽しみですね・・・)
なぜか、その瞳には微妙に悪い光が宿っていたが・・・。
途中、ジュリアはオリビアに挨拶をするため、学園の近くで馬車を
降りた。
そして教会に戻ったリョウは、シスターたちに服を脱がされ
囲まれることになった。
「はい!ちゃんと手を上げて!」
「じっとして、動かないで」
「意外と胸が厚いですね」
「胴回り、78cm」
神官服を作るために身体のサイズを測られていたのだ。
町や村での救済で回復魔法を使うときに一般人では目立ちすぎると
いうことで神官の格好をすることになったのである。
それならば、適当な神官服を借りればいいと言ったのだが
強力な回復魔法を使う者は、それなりに高位の神官に見えないと
まずいとマーティアに言われた。
そして、シスターたちもいい物を作ろうと気合が入ってるようなのだが・・・
「股下・・・」
「うっ!」
「あっとごめんなさい、うふふ・・・85cm」
何が起きたのかは控えるが、絶対わざとである。
ごつっ!!
鈍い音がした。
「シスター・ミンカ!真面目にやりなさい!!」
股下を測ったシスターの頭に年配のシスターの拳骨が落ちたのである。
「う~~~、裁縫部長、ひどいです~・・・」
頭を抱えながら、ミンカと呼ばれたシスターが言う。
あまり、気合が入ってない者もいるようである。
股下は、本とかをはさんで、そのはさんだ物から測るのが
正しいやり方だそうです。




