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139 モヤモヤパトリシア

構想を詰め込みすぎて収集がつかなくなってきたので

しばらく更新をお休みします。

再開したら、またよろしくお願いします。

(いったい、リョウって何者なの?!)


パトリシアはリョウについて考えていた。


優秀なミュージシャンなので、取り込もうと思っていたところ、

料理人としても有能で、聞いてみたら冒険者だということだ。

何か伝手つてはないかとボムリザードのことを話したら、

王女や聖女がでてきた。


しかも、王女の頼みに『え~~~~?!!!』とか言ってるのだ。

普通、そんな対応をしたらとんでもないことになりそうだが

王女も気にせずに普通に話している。


まあ、王女のほうはボムリザードの件とは関係なさそうだが、

聖女のほうは一緒にアラバンドに行くとか言ってる。

何でそういうことになる?!


もう、わけがわからない。


「はい、どうぞ」

「うん、ありがと」

リョウが差し出したフルーツサンドを受け取り食べる。


「こっちは、イチゴとパイナップルにキウィ、そしてアクセントに

レーズンを入れてみました」


(うん! こっちもおいしい!!)


「・・・って、違うわ!!」


「え?!」


つい、心の声を口にだしてしまったパトリシア。


「何か嫌いな果物が入ってましたか?」

リョウが聞く。


「い、いえ、違うの!ボムリザードの話はどうなったのかな~と」

あわてて言い訳をするパトリシア。


「ああ、すみません、早く話しておくべきでしたね。今回の

ボムリザードの駆除は聖教会が協力してくださることになりました」


「は?!」

何を言ってるんだという顔のパトリシア。


「私から説明いたしましょう」

とマーティア。


「今回、リョウ様のボムリザードの狩猟に私達が同行し協力します。

その代わりにリョウ様には、途中の教会の活動や支援が不十分な

村や町での救済に協力していただきます。

費用はすべて教会が負担いたしますので、パトリシア様はもちろん

アラバンドの方々もボムリザードの駆除の報酬をだす必要はありません」


「本当にそれでいいのですか?」

あまりによすぎる話にパトリシアが聞く。

故郷のためと、この件について、それなりに自腹を切る覚悟で

あったのだが、何もいらないと言われたのである。


「はい。狩った魔物の素材などはリョウが必要な分以外はこちらが

いただくことになっておりますし、何より、教会は民のために

あるのですから」


「そういうわけで、あとはこちらにまかせてください」

リョウが言う。

「ところで・・・」


「ジュリアは一旦ノーレッジ領に帰らなくていいのかな?」

ジュリアはリョウに付いていく許可をもらうという話になって

いたはずであるが・・・。


「いいんです!両親には手紙を書きました。これからはずっと

リョウと一緒です!」

嬉しそうに言うジュリア。


そんなふうに言われたら、リョウとしても帰れとは言えない。

それどころか、リョウもずっと一緒にいたいと思った。


「ジュリア・・・」

思わず見詰め合うリョウとジュリア。


「では、リョウ様!行きましょうか!」

キックオフに入りそうになった2人にマーティアのインターセプト。


「は、はい!」

リョウは反射的に返事をする。

「あ、カテリーナ様が来られた用事はいいんでしょうか?」


「ええ、皆さんに会うのとサンドイッチを作ってもらうために

来ましたので、用事は済みました」


「では、アラバンドに行く用意がありますので、これで失礼します」

リョウはそう言って、マーティアとジュリアを伴って退室する。


それに続いてカテリ-ナも退室し、1人残されたパトリシア。


(結局、ボムリザードは誰が狩るんだろう?!)


そのことについての説明を聞き損っていた。

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