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14 領都

ニコル村というところで休憩をとるアンジェリカ一行。

ここを発てば、1時間半ほどで領都ガリアだそうだ。


アンジェリカがデルムッドともう1人に対して、

一行がもうすぐつくという先触れとオーガがでたことの

報告の役目を命じていた。

今日のうちに冒険者ギルドに調査の依頼をしたほうがいいと考え

一行より先に出発させるとのことだ。


デルムッドは警備上、難しい顔をしていたが、アンジェリカに

「リョウもいるので大丈夫」

と言われ、しぶしぶ出発していった。


アンジェリカは、リョウのことを信頼してくれたようだ。

リョウに悪意があるなら、モンスターと戦ったり、

怪我人にヒールしたりしないだろうし、馬車での話も

作り話だとしたら、出来すぎている。

猫のことなど、嘘だったらあんなに熱く語れないだろう。

いつの間にか呼び方も「様」が抜けて、呼び捨てになっている。


30分ほどの休憩の後、アンジェリカ一行はニコル村を

出発した。


特に何事もなく、1時間余りで城壁に囲まれた領都ガリアが見えてきた。

道の先には、門と荷車や馬車の列が見える。入場許可の行列だろう。


そのまま門に向かうと思われたのだが、アンジェリカ一行は

わき道に入り、領都を迂回するようなルートに入った。


「え?!」

と小さくつぶやいたリョウ。

それを聞いて、アンジェリカが説明してくれた。


ガリア辺境伯領は、その名のとおり、シルフィード王国の南の端にあり、

隣のゴジール共和国と接している。

そのため、領都ガリアの南側に領軍の施設が集中しており

領軍の最高司令官であり領主でもある辺境伯の館もその中にあるのだという。

なので、東西南北の4つの大きな門のうち、南は辺境伯の関係者と

軍の専用であり、今はそちらに向かっているということである。


さっき見えたのは西の大門で、大門の他に通用門が何箇所かあり

通用門は主に徒歩の者が使うことになっている。

もちろん、南以外の門から入って領都の中を通り、

辺境伯の館に行くこともできる。


説明を聞き終えた頃、南の大門が見えてきた。

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