131 デートその14
デートの途中ですが、年末年始はお休みします。
正月明けに更新しますので、よろしくです。
では、よいお年をv
「ん?!」
パトリシアの悲しそうな様子に気がつくリョウ。
「そういえば、パトリシアさん、お昼ご飯は食べました?」
「逃げてたので食べてないわ」
(おいしそうな料理の話に続いてお昼ご飯の話って、ますますお腹が
空くじゃない!)
不機嫌な様子で答えるパトリシア。
「ホットケーキだけじゃ足りなかったですね。よかったらどうぞ」
リョウはそう言って紙包みを出して開く。
「さっきカフェで作り方を教えたと言っていたサンドイッチです」
パトリシアはサンドイッチを1つ手に取って断面を見た後、リョウの顔を見る。
「いいの?」
「私達は、さっき食べましたので。どうぞ、召し上がってください」
そう言ってすすめるリョウ。
それをジュリアは、『ほんとにお人好しだな~』という目で見ている。
「ありがとう、お昼を食べ損なってたから、お腹へってたの」
そう言って食べ始めるパトリシア。
「ジュリアさんは、こっちをどうぞ」
リョウは、ティーポットからそれぞれに追加の紅茶を注いだ後、
ポップコーンの乗った皿をだす。
「これは、何ですか」
ポップコーンを一つつまんで見るジュリア。
「ポップコーンというトウモロコシのお菓子です。特別な品種の
トウモロコシじゃないと出来ないんですが、学園の料理長がたまたま
仕入れてたので譲ってもらいました」
仕入れに失敗したと思っていたことなんかは、言わないほうがいいだろう。
モキュモキュ・・・
「初めての感触です」
ポップコーンを食べたジュリアが感想を言う。
「私にも頂戴!」
と、パトリシア。
もうサンドイッチを半分以上食べていた。
「はいはい」
リョウはサンドイッチを包んでいる紙にポップコーンを乗せる。
完全にお兄ちゃんモードである。
「で、あんたら、どういう関係よ?」
ポップコーンを食べながらパトリシアが聞いてくる。
「どういう関係?」
意味がわからずオウム返しするリョウ。
「ミュージシャンと付き人にしては女がまるっきり働いてないし、
モキュモキュ・・、主従にしては上下関係がないみたいだし、モキュ、
恋人同士にしてはどっちも遠慮がちだし、モキュキュ・・・」
「とりあえず、話すときは、食べるのをやめてくれません?!」
そっちのほうが気になって、話が頭に入ってこない。
「止まらないのよ! モキュモキュ、何?これ!!」
食べながら文句を言うパトリシア。
「ふふふ・・・、食べ続ける呪いが発動したようですね」
悪い笑顔で言うリョウ。
「「 え?!!! 」」
「リ、リョウ様・・・」
ジュリアが不安な顔でリョウを見る。
「このまま食べていると最後には・・・」
「「 !! 」」
「太ります」
「「 は?! 」」
「まあ、何でも食べ続けたら太りますけどね。そんな呪い、ないですし」
そう言って大笑いするリョウ。
リョウのことは好きだけど、とりあえず殴ってもいいかな・・・?!と
思うジュリアであった。




