表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/520

12 馬車にて

「それで、そのニホンという国は遠く離れた島国だと・・・」

「はい。ただ、難破したので、方向や距離はわかりません」

リョウは馬車の中でガリア辺境伯の姉、アンジェリカ・G・

メイフィールドと会話していた。


彼女はガリア辺境伯領の隣のメイフィールド伯爵領に嫁いでおり、

実家の母の病気見舞いに里帰りするところだということだ。

今回、助けてもらった礼をしたいということと、リョウが高レベルの

治癒魔法が使えるのを知って母の治療もしてほしいということで、

馬車に乗せてもらって同行することになった。


馬車には、アンジェリカの隣に世話役のメイド、その向かい側にリョウ、

そして、リョウの隣に獣人のレイナが座っている。

普通なら護衛のリーダーとして、デルムッドが乗るはずだが

リョウに対するサービスだろう。

どうやら、リョウの能力を見て、取り込もうとしているようだ。

リョウのほうも、目的のためには有力者とお近づきになりたいし、

むさいおっさんよりもケモッ娘のほうがいいに決まってるので

願ったり叶ったりである。


実際、リョウとアンジェリカとの会話で、お互いの国について

話しているとき、

「まあ、識字率がほぼ100%!」

「政治の代表を投票で選ぶのですか」

などと言うレイナの反応と仕草がとてもかわいらしく、

リョウは、仲良くなりたいという気持ちが強くなった。

そして、いつかモフらせてもらおうと。


アンジェリカは見た目アラフォーの落ち着いたぽっちゃり体形の

母性が強い中にも気品を感じる女性だった。

会話によって、その知性の高さもうかがわれた。


2人の会話において、リョウはニホンの調査団の一員だったが

船が難破し、一人でこの大陸にたどりついたと説明した。

幸い、収納魔法のバッグがあったので、なんとか今まで

生き延びられたという設定だ。


アンジェリカからは、この国の基本的な制度や人種、

主なモンスターについての情報などを説明してもらった。

それによると、ゴブリンはともかくオーガがあんなところに

いるはずがないということだ。生息域に何か異変が起きて

いるかもしれないということで、弟のガリア辺境伯に

報告して、調査をしてもらうことになるだろうということだ。


「ところで・・・」


「リョウ様は、獣人に特別な興味がおありでしょうか?」

アンジェリカがいきなりぶっこんできた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ