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01 深浦家にて

初投稿です。

のんびり、生暖かく見守ってくださると嬉しいです。

普通の中流っぽい住宅街の一軒家、深浦家。

ここに政府の者という女性が尋ねてきた。


「ニート更正プログラム?!」

深浦真理子(ふかうらまりこ・主婦・48歳)と娘の恵(めぐみ・17歳・高校3年生)は、

声を揃えて聞き返した。

それに対して、尋ねてきた女性(スーツを着て小柄ながらもメリハリのある身体、

少し古い表現でトランジスタグラマーなどと呼ばれるであろう)が答える。

「そうッス、政府がこのたびニート対策の一環としてうちだした企画ッス。

私はこの地区担当の中川美香なかがわみかと申す者ッス。」

顔も美人なのに、語尾でイメージがぶち壊しだ。

体育会系のサークルとかで、こんな語尾になったのかな?!

などと恵は考える。

悪い人ではなさそうだが、微妙に胡散臭い。

しかし、話される内容は、この家にとってたいへん魅力的なことだった。


恵の7つ年上の兄・竜馬りょうまが職場でのパワハラをきっかけに

引きこもりニートになって1年以上になる。

今では、「ハロワ行けよ!クソニート!!」などと悪態をつくこともあるが

恵は優しい兄が大好きであった。

初月給で竜馬が買ってくれたネックレスは今でも彼女の宝物である。

少しでも早く更正してほしいと思っているし、

それは母の真理子も同じであった。


「私達は、何をすればいいのですか?」

母が聞くと。

「許可をいただければ、他は何もしなくていいッス。

あとはこちらで、住み込みの職場でリハビリするッス。

あまりお金を使うこともないので、仕送りもさせるッスよ。」

(それって地下で肉体労働させられて、ペ○カとかいう通貨で

払われるんじゃ?!)

恵は借金のカタに働かされる漫画を思い出す。

念のためネットで調べてみると、確かに厚生労働省のホームページの隅に

このことについての紹介があったので、さすがにそれはないだろうが。


「じゃ、この委任状にお母さんのサインと捺印をお願いするッス。」

不安ではあったが、真理子と恵は申し出を承諾することにした。


「息子さんは2階ッスね。」

中川は2階への階段を上っていく。

コンコン

「政府の者ッス、失礼するッス。」

ガチャッ、ギー、バタン

ノックの音の後にノブを回しドアが開閉される音がした。


(あれ?!お兄ちゃん、いつも鍵をかけてるよね、たまたま忘れてたのかな?!)

恵は、そう思いながら、階段の下で母とともに様子をうかがっていた。

10話ぐらいまで連日投稿の予定です。

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